更新日:2005/5/1
コラム


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1  シックハウス症候群
シックハウス症候群とは?
化学物質過敏症の一種。
化学物質過敏症は、排気ガスやタバコの煙など大気中の化学物質をはじめ、化粧品や洗剤などに含まれる微量の化学物質にも反応して引き起こされる体調不良や健康障害。
その中でも、シックハウス症候群は、住居の新築・改装後に室内に発生する揮発性化学物質などが原因となる。
住居内での知覚症状が多い。
 
発症のしくみ
1 限界超えると発症
長期間、化学物質を摂取していると、ストレスの総量が各自の適応能力を超えると、極めて微量な化学物質に接触しただけで、頭痛・下痢・疲れやすいなどの症状が出るようになる。
 
2 超微量が引き金に
特定の化学物質に対して一度過敏性を獲得してしまうと、非常に微量でも反応するようになる。
ふつう、中毒症状は原因物質がミリグラム(1000分の1グラム)の単位で現れる。
それに対し、化学物質過敏症では、ppb(1ミリリットル当たり1ナノグラム、10億分の1グラム)から、ppt(1ミリリットル当たり1ピコグラム、1兆分の1グラム)という、ごくわずかな量でも発症するようになる。
 
3 中毒やアレルギーとどう違う
体質などで発症しない場合もあるなど、アレルギーと似ている。
しかし、アレルギーになる原因物質のアレルゲンは、カビ・ダニなどのタンパク質を中心としたものなのに対し、化学物質過敏症は、化学物質が原因となる。
一方、アレルギーは、ぜんそくや目や鼻の症状などで特有の症状がはっきりと出る。
また、原因物質もほとんど判明している。
しかし、化学物質過敏症は、自律神経(意志とは無関係に、生体の植物的機能を支配し自動的に調節する神経)の異常なので、アレルギーほど検査ではっきりとした異常はみられないし、症状もさまざま。
 
発症までの経過
1 警告期
化学物質に接触して、ショックを受け、血圧が低下したり、精神・神経活動が抑制されるなどの反応を示す。
 
2 マスキング期
長期間、化学物質に接触していても、体はいつもと同じ安定した状態を保とうと調整する。
適応状態では、血圧が上がったり、精神・神経活動も活発になり、一見、症状が軽くなり、快適に感じられるようになる。
しかし、実際は見せかけだけで化学物質は体内に蓄積され続けている。
この時期に、大気汚染のひどい状態から空気のきれいなところに移動するなど、化学物質を取り除いた環境にすると、適応状態が乱れるため、かえって体調が悪くなることもある。
 
3 器官衰退期
警告期やマスキング期に原因物質が、体内に蓄積され続けると、体が化学物質の解毒に必要な栄養素を使い尽くして、さまざまな症状が現れる。
この段階で化学物質過敏症と気づく人が多い。
適切な治療をこの段階で受けないと、本格的な病気になってしまう。
 
主な症状
目→目がかすむなどの視力障害、まぶしいなどの光敏感など
 
鼻→鼻水、くしゃみ、鼻血など
 
精神・神経→頭痛、不眠、うつ状態など
 
耳→難聴、耳鳴りなど
 
口やのど→渇きやすい、よだれが出るなど
 
呼吸器・循環器→呼吸困難、息切れ、ぜんそく、胸痛など
 
腎臓・泌尿器→下痢、便秘、食欲不振
 
皮膚→湿疹、じんましん、アトピーなど
 
筋肉・関節→筋肉痛、関節痛、肩や首が凝る
 
産婦人科関連→汗が異常に増える、手足の冷えなど
 
明白な器質的疾患が見られないのに、さまざまな自覚症状を訴えることが多い。
原因が不明なため、かぜ・自律神経失調症・更年期障害・ノイローゼ・アレルギーなどと診断されてしまう。
さまざまな化学物質が原因のため、対症療法では根本的な治療にはならない。
病院で治療しても治らず、うつ症状が途中から下痢になるなど異なる症状が現れるような場合は、生活環境を見直して化学物質過敏症である可能性も考えてみる。
 
こんな環境が危ない!
◎新築・改装の家に住み始めた。
◎交通量の多い道路や信号のある交差点の近くに住む
◎農薬・消毒薬の空中散布が近くで行われている
◎薬品・OA機器を使う
 
こんな人がなりやすい
化学物質過敏症は環境病であり、各自の置かれた環境にどんな要因があるかによってリスクが大きく異なる。
患者の男女比は、日本もアメリカも女性が70%以上を占めている。
女性のほうが自宅にいる時間が長く、室内の空気汚染の被害を受けやすい。
また、子どもを産む性のため危険な環境に対して敏感に反応する、などと考えられている。
 
3つの基本的な治療法
1 免疫力の向上
有害物質を解毒し、体外に排出する働きを持つビタミン・ミネラルを補給して、免疫力を高める。
 
2 有害物質を排出
スポーツや入浴で新陳代謝を活発にして、有害物質を体外に排出する。
また、化学物質に負けない体力をつけるために十分に休養と栄養もとる。
 
3 生活環境の改善
滞在時間の長い自宅や職場の生活環境を見直して、化学物質を取り除き、接触しないようにする。
 
広がるシックスクール問題
2003年4月、東京都江東区の小学校で耐震工事後に、多くの児童が目のかゆみやのどの痛みなどの症状を訴えた。
内装に使われていた油性塗料などが原因でトルエン濃度が指針値を超えたためとされる。
同年5月、廃校となっていた近くの小学校に全児童が移転するなど大きな問題となった。
学校での「シックハウス症候群」の集団発生は、「シックスクール」と呼ばれる。
2002年4月から、建築(改修)された学校では「学校環境衛生基準」に基づいて、空気環境の測定が実施されている。
その結果、各地でホルムアルデヒドやトルエンが厚生労働省の指針値以上であるなどの「シックスクール問題」が起きている。
 
国のシックハウス対策
厚生労働省は、化学物質の影響の少ない住居の普及啓発などを目的に、2001年1月までにホルムアルデヒドなど13の化学物質に対し室内濃度の指針値を定めた。
指針値は、それ以下の濃度の化学物質を一生涯接触しても、健康を害さないと判断された値。
一部の家屋の実態調査でひどい汚染が認められた物質やWHOの空気質ガイドラインなどで指針値が提示されている物質が対象とされた。
また、国土交通省は、2003年7月、建築基準法を改正し、化学物質の室内濃度を下げるためにホルムアルデヒドなどを使用した建材の制限や機械換気設備の設置などによって、室内の化学物質の濃度の低下を義務付けた。
 
厚生労働省が濃度指針値を定めた13物質(25℃の場合ppm:100万分の1の濃度、ppb:10億分の1の濃度<1>)
@ホルムアルデヒド   0.08ppm
Aアセトアルデヒド   0.03ppm
Bトルエン   0.07ppm
Cキシレン   0.20ppm
Dエチルベンゼン   0.88ppm
Eスチレン   0.05ppm
Fパラジクロロベンゼン   0.04ppm
Gテトラデカン   0.04ppm
Hクロルピリホス<2>   0.07ppb(小児の場合0.007ppb)
Iフェノブカルブ   3.8ppb
Jダイアジノン   0.02ppb
Kフタル酸ジ-n-ブチル   0.02ppm
Lフタル酸ジ-2-エチルヘキシル   7.6ppb
 
(@Hは建築基準法の規制対象物質。@〜Eは住宅性能表示で濃度を測定できる6物質)
 
<1>化学物質過敏症が起こらない濃度は意味していない
<2>居室を有する建築物にはクロルピリホスを添加した建材の使用は禁止
 
〜参考資料  T新聞〜

2  福祉住環境コーディネーター
高齢者や障害者の方に住みやすい住環境を提案するアドバイザーのことです。
医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、各種の専門家と連携をとりながらクライアントに適切な住宅改修プランを作成します。
また、福祉用具や諸施策情報などについてもアドバイスします。

3  太陽光発電
太陽光発電は、太陽のクリーンなエネルギーを利用する環境にやさしい発電法で、大気汚染の原因となる排出ガスを発生させません。
二酸化炭素による地球温暖化、大気汚染が原因とみられる酸性雨などの環境問題、さらに石油や石炭・天然ガスなどのエネルギー資源のことを考えると、これからは太陽光発電の時代です。
発電された電力は、昼間使い切れずに余った電力を電力会社へ売り、太陽電池だけではまかないきれない雨の日や夜間は、今までどおり電力会社から買うシステムになっています。
取り付けは、家の新旧にかかわらず付けることができますが、屋根の形状や向きなど付けられないこともあるので、取り付け業者に確認したほうがいいでしょう。
また、新築の家に付けるときは、固定資産の対象になることがあるので、この場合も取り付け業者や役所で確認したほうがいいでしょう。
また、国から助成金がでます。しかし、年々金額が減ってきていて数年後にはもらえなくなるかもしれないと言われています。
 
 
我が家の太陽光発電は京セラ製です。



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