呼び名



食事を終えたは、食堂を出たところでリーバーと出くわした。



「あっ、班長!」
「おっと、もう食べ終わったのか?」
「はい。班長は今からじゃ!」



リーバーとの休憩時間には30分ほどの誤差があり、が食事を取ったのだから、当然リーバーもそのつもりで来たはずなのだが、なにを思ったのか、の手を取った。驚くをよそに、リーバーはその場を離れようとした。



「そうだが、ちょうどいいから付き合え」
「えっ?班長?」



早足で引っ張られ、気付けばそこは、殆ど来たことがないリーバーの部屋だった。押し込まれるように中に入ったと思えば、優しくギュッとリーバーに抱きしめられていた。目が廻るほどの速さだったが、やっと一息付けた気がして、もそっと背中に手を伸ばす。二人きりの時間なんて何日、否、何週間ぶりかもしれない。



「・・・班長」



その呟きを聞いた途端、ピッタリくっ付いていた身体を押し離すようにリーバーは距離をあける。なんだか今日は忙しい日だと、パチクリさせた目でがリーバーを見上げると、納得いかない表情で詰め寄られた。



「・・・・・・・・・・」
「なんですか?班長」
「・・・・・二人のときは、リーバー!」
「あ…っと、そうでした、ね」



鼻に息が掛かる距離まで近付かれたことよりも、リーバーと呼べということの方がにとっては気になることで、そうだったと目を泳がせる。呼びたくないわけではないし、頭では分かっているが、馴れ親しんだ班長がついつい出てしまう。その態度に大層な溜息を吐いたリーバーは、の肩に手を置き、真っ直ぐ見つめた。



「班長って言ったら脱いでもらう」
「えっ!なに言ってるんですか班長!」
「はい!脱ぎましょうね〜」
「ほ、本気なんですか?」
「本気だよっと!」
「わっ!」



真剣な瞳に、動揺している自分を見たは焦り、付けるつもりはなくてもおまけのように言ってしまった。次の瞬間見たものは、にんまりとしてやったりなリーバーの顔が、冗談ではないことを物語っている。白衣に手を掛け、抵抗するのが遅れたをよそに、手際よくベッドに倒した。



「っ班長!」
「はい。次は上と下、どっちがいい?」
「・・・・・・リ、リーバー!」



白衣を引き剥がすように脱がされ、どうしても出てしまうのは班長なために、馬乗りになっているリーバーは楽しそうに手薬煉を引いていた。ブラウスかスカートか、次の言葉をじれったく待っていたリーバーの耳に、叫び声のようだったがやっと待っていた言葉が届く。その瞬間、に覆い被さるようにリーバーは身体を倒した。



「やっと・・・聞けた」
「リーバー・・・」
「もっと聞きたい」
「何度でも・・・リーバー」


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