気まぐれ日記

2006年8月


8月18日  取材 
新しくできたお菓子屋さんに行った。
店に着くと、何やら大きな機材を持った数人の人たちが何やら打ち合わせをしている。
何事かと思ったら、ケーブルTVの取材なのだそうだ。
レポーターの人が練習をしている。
そんなまっただ中へ、私はケーキを買いに来てしまったのだ。
これは困った。
TV局の人たちから見たら、私は絶好の取材ターゲットになってしまう。
だってほら、こんなにTV映りが良い素材をTV関係者が放っておくワケがないではないか。
きっと私へのインタビューが行われるに違いない。
これは練習しなくてはいけない。
私の頭の中ではシミュレーションが始まった。

「いつもここへ買いに来られるのですか?」
「いえ、今日が初めてです。美味しいと評判なので買いに来てみたのです。」
「そうですか、ではここで一口食べてみてください。その映像を撮らせて欲しいのですが・・・」
「え、そんな、恥ずかしいですぅ。じゃぁ一口だけ・・・」

パク

「いやぁ、絵になりましたよ。ご協力ありがとうございます。」
「いえいえ、こんなんでよければいつでもおっしゃってください。ハッハッハ。」

私の中でのシミュレーションは完璧に終わった。
ついでに買い物も終わった。
TV局の取材の気配は微塵もない。

ケーキは甘くて美味しかったのだが、心の中は少しビターな一日であった。


8月16日  連係プレー 
のどかな昼下がりである。
洗濯物を取り入れ、たたみ始めた私。
そばには赤ちゃんがいる。
じつにほのぼのとした光景である。

私が洗濯物を次々にたたんでいく。
横で赤ちゃんが、私がたたんだ物を次々と崩していく。
私がたたむ。
赤ちゃんが崩す。
私がたたむ。
赤ちゃんが崩す。
この見事な連係プレーによって作業は一向に進まない。

のどかな昼下がりであった。


8月5日  闘い 
今日は地元の花火大会である。
我が家でも、赤ちゃんを抱っこして家のベランダから鑑賞した。
しかし、気をつけねばならぬことがある。
蚊である。
赤ちゃんの新鮮な血は狙われやすいと聞く。
ベランダに出るのはほんの少しにして、あとは部屋の中から見ることにしよう。


・・・・・・おかしい・・・。
なぜ私だけ蚊の集中砲火を浴びねばならぬのか。
赤ちゃんは平気な顔をしているのに、私だけかゆさに悶絶しそうである。
私の肌には、夜空に咲く大輪の花火のような真っ赤な蚊の跡が刻まれていた。


8月4日  ギャップ 
本日、我が家に外国人の来訪者があった。
この方はカナダ在住で相棒の友人である。
久しぶりに日本に来るので、相棒を訪ねて来るという。
おかげで前日から、私も相棒も浮かれていた。
目が合うたび、合い言葉のように
「外国人が来る!」
と言い合っていたぐらいである。
そのうちに冗談でだが
「横断幕があるといいね」
などと言い出す始末だ。
横断幕の文字は『ようこそ ここへ』である。
するとどちらからともなく、ふたりで口ずさみだした。
「♪ ようこそ ここへ」
気が合う二人である。
もちろん歌うのはあの曲である。
せ〜の〜。

「♪ ようこそ ここへ 遊ぼうよ パラダイス
「♪ ようこそ ここへ クッククック

・・・・・・合ってないよ、歌も年代も・・・。