〜長野編〜


おかわり

スキーで体を痛めつけた後のお楽しみは宿の食事である。

我々が泊まったのは、ちょっとこじゃれた感じの所であった。

夜、首を長くして待っていた我々に、お楽しみの食事タイムが訪れた。

しかし、ワクワクしながらテーブルについた我々の目は一瞬にして点になった。

我々の前に配膳されたお皿には、うす〜くうす〜くうす〜く盛りつけられたご飯があった。

おそらく厚さ5mmにも満たないであろう。

約20年生きてきて、いまだかつてない薄さである。

ご飯を盛ったというよりは、ご飯を敷き詰めたといった方が正しい。

瞬間、その場にいた者たちは同じことを思ったに違いない。

足りない、と。

そこで、一人の者が宿の人に言った。

「すみません、おかわりしたいんですが」

「はい、おかわりは200円です

なんだとぉ!!

この薄く敷き詰められたご飯が200円もするのかぁ!!

おかわりをあきらめた一同は、食後のデザートを求め、夜の町に消えていった。

ちなみにこの日、食後のデザートと称して食したのはラーメンであった。