〜長野編〜


初めてのスキー その1

私が生まれて初めてスキーに行ったのは大学1年生の時である。

上から下まで全てレンタルという出で立ちでスキー場に立った時は、思わず感動したものだ。

しかし、感動はしたが、何と言っても初めてのスキーである。

果たして無事に帰れるのだろうか。

私の不安は大きかった。

そして、その不安は見事に的中した。

友人にすべり方を教わり、少しずつすべれるようになっていた私の目の前に巨大な大木が迫ってきたのだ。

ここで私はたいへんなことを思い出した。

すべり方は教わっていたが、止まり方と曲がり方を教わるのをすっかり忘れていたのである。

よくギャグマンガで、木に突っ込んでいくみっともないキャラを見たことがあったが、

今の自分がまさにそれであった。

しかも、見ず知らずの女の子たちに笑われるというおまけ付きである。

この時点で、スキー場のロマンスなどというものに最も遠い距離にいる自分に気づいた私であった。