●三重タイムズ『読者の声』(平成12年3月17日号掲載分)  学校法人享栄学園が行った、鈴鹿国際大学の久保教授の処分に断固抗議します。大 学での思想、信条、学問の自由は当然のことであり保障されなければならないと思い ます。異なる意見や学説があるとするなら、それは言論において争うべきです。今回 の処分は大学の自殺行為です。  人権センターのあり方も公正公平の立場から、展示内容などの適正化を求めていく のは当然のことですし、市民の権利です。久保教授の戦いは、わたし達自由主義者の 戦いです。左翼勢力が勝つか、市民の良識が勝つかの大切な戦いです。  東京都議会議員(民主党)・土屋たかゆき  私は部落で生まれ育った人間です。しかしいくつもある同和団体を差別をなくす団 体とは思っていません。あの人達をわたし達が代表として選んだのではありません。 勝手にわたし達の代表と名乗っているのです。  人権センターも島崎町にあった時から何度か訪ねたことがあります。わたしは人と 話をするとき、人権センターを「偏見センター」と呼んでいます。同和問題の本も歴 史的事実を曲げて書いてあるものが多いと思います。今回の久保教授解任事件も、広 島の高校の校長の自殺も同和団体が絡んでいるように聞いていますが、許しがたいこ とだと思います。  嬉野町・匿名希望(68)。 ●三重タイムズ・久保先生の『寄稿』(平成12年3月17日号掲載分)  今の若い多くの人は戦前の歴史は封建的、軍国主義的であり、今日のわが国の経済 的繁栄は、連合軍に敗れたからこそアメリカによってもたらされたものであると信じ きっているようだ。まさに勝者の史観に塗りつぶされ、戦後半世紀以上も経た今日で さえ、敗戦国すなわち日本の伝統的史観は全く拒絶されている。  【反日自虐史観】  東京裁判によって植え付けられた、われわれ日本人の父祖は悪逆非道の人々であり、 それを我々は認め、悔い改めねばならないという史観のことを「反日自虐史観」とい う言葉で語られている。  しかし、現在では国際法違反の東京裁判は、もはや諸外国の識者には受け入れられ ていない。マッカーサー元帥やウェッブ裁判長でさえ、後日、東京裁判は誤りであっ たと述懐しているのである(佐藤和男監修『世界が裁く東京裁判』ジュピター出版参 照) 。  南京大虐殺については、東中野修道「『南京虐殺』の徹底検証」(展転社)や、獨 協大学の中村粲教授の著書において詳細に研究されているように多くの異論があると ころであるのに、多くの歴史教科書には 三十万人虐殺説が堂々と掲載されている。  他方、南京事件前夜に中国人により日本人が大量虐殺された、「済州事件」「通州 事件」「大山事件」などには一切触れられず、完全に無視されている。  また、従軍慰安婦についても、上杉千年著「検証 従軍慰安婦」(全貌社)や、中 村粲教授がその著書において、冷静に、かつ、詳細に研究したように、日本軍の衛生 管理による地元業者委託の慰安所はあったが、そこの慰安婦がどのように集められた か、または集まったかは、日本軍は組織的に関与していないことが明らかになってい る。  しかるに、反日指向の弁護士などが、広く世界に「従軍慰安婦」の名乗りを求めて いて、当時の日本軍人数に対し驚くべき高比率の自称元慰安婦たちが名乗りを上げ、 その中から日本に個人補償を求める者が出てきている。  しかしこれまで慰安婦と関係者の聞き取り調査結果は全く公表されていない。にも かかわらず、学校の教科書に掲載されている。これは何を意図した、いかなる教育的 配慮に基づく教科書掲載であろうか、おおいに疑問である。  私は歴史の功罪、父祖の功罪を感謝の念を持ち、公平に見る必要があると説いてい るだけである。 三重県人権センターの展示・図書についても、北朝鮮への日本人拉致、婦女子・児 童虐待、中国大陸で行われた日本人大量虐殺事件、大戦中に強制移住させられたカリ フォルニア州の日本人移民、皇室の人権の軽視等々、重要な人権問題が山積している。  要はこれらをバランスよく展示してほしいと要望しているだけだ。  大東亜戦争は、欧米列強のアジア侵略から逃れるための、日本の自存自衛の戦いで あったという面は否定しようがない。  また他面、白人諸国に植民地化もしくは半植民地化されたアジア解放の戦いでも あった。  いままで、反日自虐史観を教わってきた学生に、違う見方もあるということを分 かってもらうフィールドワークとして、そういう主旨で、東條英機元首相を描いた映 画「プライド」を学生に勧めたのは確かだ。  私の考え(歴史観)の寄って立つ基盤を披瀝した。読者の皆様のご教示、ご指導を 頂ければ幸いです。