中野学生部長が証言 久保事件第十一回公判 解任理由は「同和団体からの反応」?  鈴鹿国際大学国際学部の久保憲一教授(久保事件)の第十一回公判が十二月二 十六日、津地裁で開かれ、被告中野潤三学生部長(当時)の証人尋問が行なわれ た。  中野証人は久保教授に教授辞任を迫った理由として、「授業のなかで学生に自 説を一方的に押し付け、洗脳するようなことがあり、学生や同僚の間で問題視さ れてきた。教授に昇任する際に勝田学長(当時)は、授業方法について注意する といわれたが、結局改善されなかった。その上、三重県人権センターに対して、 教授としての品位を欠いた不穏当な発言が三重タイムズに掲載された。人権問題 について、大学の見解と取られかねないような誤解を世間に与えると考えた。責 任を取ってもらいたいといったが、久保教授はなぜこの発言が問題になるのか分 からないといった」などと証言した。  これに対して原告(久保教授)側の弁護人は「教員適格性審査委員会で問題と なり、久保教授に辞めてもらおうとして開かれた十一月三日と十二月二十二日の 教授会では、三重県人権センターの問題しか出ていない。授業方法などはテーマ になっていない。そのなかで勝田学長は、『同和団体から反応があり、七十四人 の教員を路頭に迷わすことになる』『本学は廃学の危機にある。その原因は久保 教授の発言にある』『学生募集に影響が出る』などと発言している。こういった 学長の発言を聞けば、みんな久保教授の解任に賛成せざるを得ないのは当然では ないか。久保教授の発言でなぜ廃学の危機になるのか。(同和団体などの)誤解 を解くために久保教授を解任したのか」などと問い質した。  中野証人は「授業方法や授業の内容などで以前から、学生や同僚から苦情や問 題の指摘があった。その延長線上で人権センターの問題が出てきたということだ。 教授として品位を欠いた、不見識で不穏当な人権センター批判が問題だというこ とだ」などとした。  次回の公判は来年四月十日午後一時半から、被告武部昇国際学部長(当時)に 対する証人尋問が行なわれる。 ------------------------------------------------------------------------ -------- ※久保事件についての詳しい経緯は、本紙の「久保事件」を参照してください。 (編集長)。