久保教授側が教授会議事録の提出命令の申立てを行う 久保教授事件第四回公判  久保教授事件の第四回公判が一月十日、津地裁で行われた。この事件は鈴鹿国 際大学教授の久保憲一氏が、三重県人権センターについて「まるで同和センター のようだ。人権センターというのならもっとバランスの取れた運営や展示をすべ きだ」などと発言したことを理由に、教授職から事務職に降格させられたが、そ の後、久保教授側の抗議で再び教授に復職。しかし復職したものの大学での講義 や研究活動、教授会への出席などが出来ない状況は不当であるなどとして、久保 教授側が学校法人享栄学園などを訴えているもの。  被告側(学校法人享栄学園ほか二人)から提出された準備書面によると「原告 (久保教授)の各行為についての評価が、思想、信条、教授としての人格評価とい う、教授としての適格性という大学の自治に関わる判断に及ぶことから、裁判所 の審査権の範囲は及ばないというべきである。また戒告処分は被告学校法人享栄 学園の裁量の範囲内であり、違法との主張は理由がない。原告においては裁量の 逸脱と主張するならば、その逸脱の事実を主張立証すべきである」としている。  これに対して原告側(久保教授)は「本件戒告処分や業務命令、降格処分に正当 性がないこと及び被告武部、同中野が主導的に教授会をリードしたことを証明す るために、平成十一年十二月二十二日開催の第九十三回臨時教授会議事録(甲第 二号証の全文)と平成十二年三月八日開催の第九十八回教授会議事録(甲第十号証 の全文)の提出を命ぜられるよう申立てをする。これらの文書は戒告処分と業務 命令及び不法行為である降格処分の前提となった決議をした際の教授会の議事録 である。これらの文書の所有者たる被告学校法人享栄学園は提出義務を負うもの である」としている。  次回の公判は三月七日の予定。 ------------------------------------------------------------------------ -------- ※公判が二ヵ月に一回のペースになってきた。よほどの忍耐と信念がないと裁判 闘争はできないと痛感する。久保教授事件はかなり分かりやすい事件だと思う。 三重県人権センターに問題があると指摘した直後、久保教授は勝田吉太郎学長に 呼ばれている。そして勝田学長は「君、大変なことをしてくれたね」と、久保教 授を脅し突き放すような言動を示している。久保教授が聞いた勝田学長の発言を なぜ部落解放同盟は問題にしないのか。これはいまだに謎だ。また各マスコミが 久保教授事件を黙殺していること自体、尋常なことではない。しかしこれがいま の日本の現状だ。久保教授事件は決して他人事ではない。詳しくは本紙「久保事 件」を参照してください。(編集長)。