久保教授事件・第三回公判 勝田学長が「左翼教員が多いから教授になるまで静かにしてくれ」  鈴鹿国際大学教授の久保憲一氏が、学校法人享栄学園ほか二人を被告として訴 えている裁判の第三回公判が十一月十五日、津地裁であり、久保教授側が準備書 面を提出した。  被告(享栄学園)側の主張に対する、久保教授側の主な反論は次の通り。 ▽授業方法や成績評価方法の問題  助教授時代の海外ゼミ研修についは、原則的に全員参加とし、二十万円が必要 と告知したことは認める。しかし海外に留学した学生については海外ゼミ研修を 課してなかった。また海外ゼミに不参加でも減点はしなかった。出張申告もなん ら問題なく学部長の承認を受けている。助教授時代に実施した海外研修について、 これまで問題にされたことは一切なかった。 ▽卒業アルバムについて  助教授時代の卒業アルバム(二期生)に学生の褌姿の写真が掲載されている。た しかに品がよいとはいえないが、彼らなりに温かく、おもしろいものにしようと したのだと思い、異論は唱えなかった。 ▽戦艦大和の大砲の音について  戦艦大和の大砲の号砲を(学生に)聞かせたことは認めるが、お前ら目を覚ませ といったとの点は認められない。居眠りする学生がいても絶対に目を覚ますぞと いった。このテープは平成九年十一月(助教授時代)に、名越二荒之助元高千穂商 大教授を招いて、講義をしてもらったときに持参されたもので、時間の関係でそ のときは学生に聞かすことができなかったものだ。その後、学生の要望もあり聞 かせたものだ。名越元教授は来校のとき、勝田学長に学長室に招かれ、私も一緒 に会食をしている。 ▽授業のやり方について  自らの著作を教科書として購入するようにいったことは認める。しかし教科書 の内容とほとんど関係のない授業を進めたとの点は認められない。前期最後の総 合レポート(アメリカ大統領とイギリス首相に関するもの)には、教科書使用を課 していた。対象は大学生であり、授業で教科書を読ませたり、逐一教科書の記述 に沿って授業するということはないが、学生が教科書を読んできているというこ とを前提に授業を行った。 ▽鈴鹿国際大学学長の「人を介した注意」について  いつ誰を介して、どんな注意があったのか明らかにしてほしい。その上で認否 する。ただ教授昇進直前に、勝田学長自身から「君を教授に推薦したいと思う。 感謝してくれよ。ただ左翼教員などがここは多いから、君をよくいわない教員も いる。だから教授になるまではあまり派手なことをしないで、静かにしてくれ。 教授になればなにをしてもいいから」と注意されたことはある。