第二回公判始まる 被告側が準備書面を提出 久保教授裁判  教育、研究活動ができるようにと学校法人享栄学園と武部昇教授(当時、国際 学部長)、中野潤三教授(同学生部長)を訴えている、鈴鹿国際大学・久保憲一 教授の第二回公判が九月二十日、津地裁で行われた。  享栄学園側と武部、中野両教授側から準備書面(反論書)が出され、双方とも 久保教授の処分については正当なものとする、これまでの主張を展開した。  享栄学園側の準備書面によると、「原告(久保教授)は人権問題の重要性を等 閑視する態度であった。鈴鹿国際大学の学長は、原告の日頃の教育指導の態度を 総合勘案し、危機感をもって平成十一年十二月十七日、久保憲一教授の教員適格 性を審査する委員会を組織し、即日招集・協議した。学長が委員長となり、委員 は武部昇学部長、中野潤三学生部長、中澤教授、田村教授であった。慎重に審査 した結果、久保教授(原告)は本学教授として不適格であり、辞職を求めること が望ましいとの結論に達したのである」「人権・同和問題の重要性を等閑視する 発言を行うとともに、公的機関である三重県人権センターに対する品位を欠く誹 謗を行ったこと。久保教授の歴史観を受容した学生については、その成績を有利 に判定する等、不適切な授業・教育指導があったこと等が理由として挙げられて いるが、日頃の前記教育指導の態度も総合勘案されている」などとし、久保教授 の処分の正当性を展開している。  これに対して久保教授側は「準備書面のなかで、私の授業についていろいろ書 かれているが、当時なんの問題にもならなかったものばかりだ。まさに重箱の隅 をつつくような反論ばかりだ」とコメントしている。  次回公判は十一月十五日に開かれる。時間は午前十時十五分。