鈴鹿国際大学・久保憲一教授 訴状「請求原因」(十三回・最終回)  しかるに平成十二年四月からは、カリキュラムの編成上、従来原告が担当して きた講座が削除されてしまい、学生の教授と研究の指導をすることは事実上、不 可能になっている。  そしていまだに、被告享栄学園は、教授会の「決定」なるものの存在(その不 当であることは前述した)を唯一の根拠として、原告に対する「鈴鹿国際大学の 教授会、委員会への出席、その他の教育的諸活動はお辞め下さい」との業務命令 を有効なものとして、原告の従来からの研究室の使用を禁止し、学生に対する授 業の機会を奪い、教授会への出席を拒み続けている。  しかし前述したように、教授会の「決議」なるものは理由のない違法なもので あるから、これを基礎とする被告享栄学園の業務命令も正当な理由のない違法な ものであって無効である。 4・原告の損害  第2に述べた教授会の「決議」や第3に述べた被告享栄学園の違法行為により、 原告は自由や名誉が侵害されて精神的苦痛を被った。原告が被った精神的苦痛は、 金五百万円の慰謝料の支払いをもって償われるべきである。  ところで、第3に述べた被告享栄学園の違法行為は、第2に述べた教授会の「決 議」の結果であると被告享栄学園は主張するので、第3に述べた被告享栄学園の 違法行為により、原告が被った精神的苦痛の原因は、教授会が作出したものであ る。したがって、第3に述べた被告享栄学園の違法行為により、原告が被った損 害についても、教授会に賠償責任がある。  そして被告武部及び被告中野は、教授会の「決議」を主導した者として、上記 精神的損害に対する賠償義務を負う。 第5・結語  1.被告享栄学園に対し、第3に述べた違法行為のうち、既に撤回された違法な 降任処分を除き、違法な戒告処分と違法な業務命令の無効確認を求め  2.被告武部及び被告中野に対し、第2に述べた教授会の違法な「決議」に関し、 金五百万円とこれに対する、平成十二年三月八日から支払済まで年五分の割合に よる、遅延損害金の支払い並びに仮執行宣言を求め本訴提起に及んだ。