鈴鹿国際大学・久保憲一教授 訴状「請求原因」(十)  かかる教育方法は、原告の鈴鹿国際大学助教授としての裁量の範囲に属するこ とであり、自主判断が可能な大学生を対象としていたものであることを考えれば、 「学園の職員としてふさわしくない行為があった」といえないことは明らかであ る。  原告が教授に昇格した後に、助教授時代の教育方法を論じなければならないほ ど、原告には「戒告」理由が乏しかったことの証左である。したがって、戒告処 分は理由のない違法なものであって、無効である。 2・違法な降任処分  原告は平成八年四月一日、鈴鹿国際大学助教授に任命された以降(平成十一年 十月一日教授に任命されてからも)、鈴鹿国際大学国際学部において、学生を教 授し、その研究を指導し、研究に従事するとともに、教授会の構成メンバーとし て教授会に出席して、大学運営に関する重要事項を審議してきた。  しかるに被告享栄学園は、平成十二年一月十七日、原告に対し、なんら理由を 示さず「鈴鹿国際大学教授の職を解き、学園本部付事務職員を命ずる」との「辞 令」(甲第十三号証)を発し、さらに原告に対し、平成十二年一月二十日付書面で 「あなたは、平成十二年一月十七日付で学園本部付事務職員に配置換えになりま した。よって赴任日を下記の通り通知します」として、「平成十二年一月二十五 日(火)午前八時三十分」に「享栄学園法人本部事務局」に赴任せよとの通知(甲 第十四号証)をなした。  しかるに、原告が降任処分や配置転換が違法であるとして抗議(甲第十五号証) をするや、被告享栄学園は、平成十二年二月三日付書面で「降任処分をした事実 はありません」といいながら、「当分の間、鈴鹿国際大学教授を兼務して頂くこ とにします。兼務辞令は、後日、ご送付申し上げます」と回答するにいたった (甲第五号証)。