鈴鹿国際大学・久保憲一教授 訴状「請求原因」(四)  その点を以下明らかにする。  1・勝田学長は、鈴鹿国際大学長の「職名」を冠して、平成八年十月一日産経 新聞「正論」欄に「教科書を見れば分かる国の将来」の題のもと、「日本悪玉論、 犯罪国家論」の見出しで、「ああ、ついにここまで来てしまった−−中学社会科 (歴史分野)の教科書数種のコピーを読んで私はこうつぶやいた。そこには、わ が国近現代史に関して東京裁判におけるキーナン主席検事による、秋霜烈日な追 及を想起させるような日本悪玉論、犯罪国家論が、これでもかこれでもかといっ た調子で書かれている。例の従軍慰安婦連行が、これ見よがしに暴かれてい る。...一体、こういう祖国讒謗(ざんぼう)の教科書、自虐史観に貫かれた 本を与えられて教育された生徒たちが、どんな日本人になっていくだろう か。...どの教科書にも中国「侵略」の文字が乱舞しているのだ。他方、欧米 帝国主義のアジア植民地化は、阿片戦争を含めてみな「進出」。なかには、誰が 見ても歴然たる「侵略」の、ソ連による日ソ中立条約侵犯、満州での蛮行を、な んと「進入」と記す教科書さえあるではないか。...一度あったことは二度あ るというが、例の慰安婦問題について...河野洋平官房長官は慰安婦の強制連 行という客観的事実をしっかり検証しないまま、それを事実と認めて全面謝罪を した(平成五年八月四日)。こうして謝罪慣れのハト派政治家たちが文部省の検 定を安楽死させ、自虐史観の教科書を野放しにさせたといってよいのであ る。...民族が自分の国の過去に暗いイメージをもちすぎ、歴史と伝統的文化 に誇りを失い、自虐的になるなら、民族は「劣性への転落」にいたるだろう。古 今東西の歴史は、このことを教えている。...不幸なことに日本の教科書は、 逆の方向に進もうとしているかのようだ。こんな教科書を読まされる生徒たちは、 果たして二十一世紀の祖国をしっかり支え、誇りと自負をもって全人類のために 貢献しようとする気力を発揮できるだろうか。いや、それどころではない。亡国 意識へいたりつくのではないか」という論文を書いている。(甲第六号証)。  この勝田学長の論文の趣旨と、原告の「三重タイムズ」紙上の発言の趣旨に何 の径庭もない。