鈴鹿国際大学・久保憲一教授 訴状「請求原因」(一) 「被告武部、同中野の不法行為」  被告武部や被告中野がその構成員である教授会は、原告(注・久保教授)に対 し、辞職を求める決議、教育活動をさせない、教授会及び委員会等に出席させな い旨の決議をしたが、これら決議は何れも原告に対する不法行為であるところ、 被告武部、同中野はこれら決議を主導した。以下、詳説する。 一・辞職を求める教授会の決議  鈴鹿国際大学学長勝田吉太郎(以下、勝田という)、学部長被告武部、田村晃 康教授、中澤巷一教授、教務部長被告中野の五名で構成する「適格性審査委員 会」が、平成十一年十二月十七日に「久保教授は本学教員としては不適切な人物 と判断せざるを得ず、辞職してもらうのが適当との結論」に達したとして、教授 会は、平成十一年十二月二十二日開催の臨時教授会において、「久保憲一教授は 本学教員としては不適格であり、辞職を求める」という決議をなした(甲第二号 証)。  その理由とするところは「久保教授の三重県人権センター及び人権・同和問題 に関する発言は、慎重さを欠き配慮の足りないものであり、そのことに伴う結果 責任は本人自身が果たさなければならない」ということであった。  しかしながら、そこで理由とされている「三重県人権センター及び人権・同和 問題に関する発言」のうち、原告は以下のとおり「三重県人権センター」に関す る発言をしたことはあるが、「人権・同和問題に関する発言」はしたことがない。 (一)「三重県人権センター」に関する発言 一・平成十一年十一月五日号付「三重タイムズ」紙上の発言(甲第三号証)  この発言は「歴史認識の見直し機運高まる」「史観の押付けが問題」「先人の 功罪を正しく評価」「久保憲一鈴鹿国際大学教授に聞く」との見出しのもとで、 三重タイムズの北本豊編集長の質問に原告が答える形でなされたもので、原告の 紹介は「日本世論の会三重県支部長で鈴鹿国際大学の久保憲一教授」とされてい る。  発言の内容は、「三重県人権センターを調査されたようですが、どのような問 題点がありましたか」との問いに対して、「想像以上にひどいものでした。人権 センターといってもほとんどが部落問題で占められている。あとの二割ほどが反 日・自虐史観ですね。どういう子どもや日本人を育てようとしているのか疑問を 感じるような施設です。このセンターで真面目に勉強する子どもがいたら、将来 が本当に心配になります。このような施設を公費で建設したこと自体疑問です ね」と答えたこと、「一方的な歴史観の押付けはやめてほしいということです か」との問いに対して、「日本でありながら、まるでアメリカ史観、中国史観で すね」と答えたこと、「日本の場合は戦後あまりにも功罪の罪を強調しすぎたと いうことでしょうか」との問いに対して、「ある意味では日本人のよさかも知れ ませんね。素直というか、すぐにゴメンナサイということですね。しかし、これ は国際政治には全く通用しません。歴史観がしっかりしないことには政治も語れ ないし、外交も語れないです。基本的なスタンスの問題ですから」と答えたこと、 「教育の問題にも関わってきますか」との問いに対して、「少なくとも台湾レベ ルにはなってほしいですね。認識台湾という新しい歴史教科書が発行されてます が、日本の植民地時代の功罪をはっきりと記述しています。内容的にはむしろ、 日本の植民地政策を評価している点が多いように思います。日本の歴史家や教科 書編纂者はこういう事実を認めるべきです。西洋の植民地化は愚民政策といって、 現地の人を無学文盲にして経済搾取する。これに対して日本は同化政策です。植 林や水道、道路、鉄道などのインフラ整備をし、学校を作っていますね。大変な 投資をしています。いまだに台湾や韓国、中国の教育制度の基本になっています ね」と答えたこと、「久保さんらの活動について、右翼的な動きとして警戒する 声もあります」との指摘に対しては、「右とか左ではなく、人一倍愛国心をもっ ているということです。日本人は二言目には国際化というが、日本人としてのア イデンティティを持っているのかと疑問に思います。いまや日本人は無国籍人で はないかとさえ思います」と答えたこと。  ※文責・本紙編集部。