久保教授が 勝田鈴鹿国際大学長の提案を拒否 本裁判で真相解明  鈴鹿国際大学国際学部の久保憲一教授が、同大学を運営している学校法人享栄 学園に対して、地位保全等の仮処分命令申立てを行っていた件について、津地裁 は三月二十六日、却下する決定をした。  久保教授側はこの審尋の結果を受けて、本裁判での訴訟を予定しているが、四 月八日、ある仲介者を通して、久保教授宛てに勝田吉太郎学長の提案が届けられ た。  久保教授によると提案の内容は、「勝田学長からは、教授の肩書きはそのまま でいいので、九月末までに新しい職場を見つけてほしい。教授会から、久保教授 にこれまで支払った給料の返還を求める意見が出ている。研究室も使用させるな といっている。私(勝田学長)は給料のことや裁判費用の請求なんかどうでもい いと思っている。私の顔を立てるつもりでやってくれないか、というものだっ た」とコメントした。  仲介者は久保教授や勝田学長にも親しい人物だという。  勝田学長からの提案について久保教授は、「以前から聞いていることと同じよ うな内容だった。審尋のなかで、私が反論したら事務職からさっさと教授職に復 職させ、給料もきちんと支払っていると裁判官に説明している。いまさら教授を 辞めさせたり、給料の返還などできる筋ではない」とし、「なにをいまさらとい う気持だ。教授会云々も事実かどうか分からない。現に何人かの教員は私を応援 してくれている。とにかく何を慌てて、こんなメッセージを送ってきたのか理解 に苦しむ」としている。  地位保全等の仮処分命令申立ての却下は、久保教授の教授会等の出席や講義に ついて、享栄学園が積極的に妨害していることが認められないということにすぎ ない。  本裁判になれば、なぜ久保教授が事務職に降格されたのか。勝田学長や大学幹 部らが、久保教授にどのような恫喝まがいのことをいったのか。一連の背景に部 落解放同盟の影がなぜ見え隠れするのか、といったことが国民の前に明らかにさ れる。  久保教授事件は同和問題という、日本のもっとも暗部に迫る問題を含んでいる。 それだけに本裁判での徹底的な解明が求められている。