久保教授事件が本裁判に 編集長 北本 豊  久保憲一鈴鹿国際大学教授のインタビューを掲載してから、早いもので一年が たった。当時、編集長をしていた三重タイムズの十一月五日号に掲載した。見出 しは「歴史認識の見直し機運高まる」「史観の押付けが問題」「先人の功罪を正 しく評価」というものだった。一年が経過して自分でいうのも変だが、時機を得 た的確な記事だったと思っている。  久保先生のコメントも、誰が読んでも納得のいくものであったと思う。三重県 人権センターに対する批判についても、実に的確なものだと思うし、多くの読者 からも高い評価を得ている。私が三重タイムズの編集長だったというと、人権や 教育で硬派の記事が多かったとか、中日新聞より面白い、三重タイムズが入るか ら中日をとっているんや、よう部落問題書いたな、それで首になったんか(笑 い)という言葉をいまだに聞く。  ところで十二月十九日に九回目の審尋が津地裁であった。和解に向けての話し 合いは決裂した。詳しいことは分からないが、年明けの一月には本裁判に持ち込 まれると思う。いよいよ闘いが始まる。そこで人権センターの馬場佐所長に電話 した。  「鈴鹿国際大学から津地裁に出された文書には、久保教授のコメントについて、 鈴鹿国際大学が人権を無視した教育を行っているかのようにとられ、学外から多 くの非難を受けており・・・大学の教授会も久保憲一氏は、教授としてふさわしく ないので、直ちに辞職を求める旨決議しています、と書かれている。学外からの 非難というのは誰のことだ、大学を震え上がらせた連中について心あたりがない のか。人権センターを批判したら、久保先生のようになるという見せしめか」。  馬場所長の声は心なしか震えていた。それだけ解放同盟の圧力が凄いというこ とか、真相は闇だ。  裁判の相手を鈴鹿国際大学の教授会にするのか、学長にするのかはともかく、 その背後には人権に名を借りた、黒々とした地下組織があると噂されている。そ こは事実上、警察の手も及ばないタブー地帯だとされている。裁判のなかで、何 れは実態が明らかにされるであろうと期待している。裁判所にも頑張ってほしい とエールを送りたい。これからもみなさんのご支援をお願いします。