久保教授事件 次回で審尋終了 真相解明は本裁判で  久保憲一鈴鹿国際大学教授の八回目の審尋が十月十六日、津地裁で行なわれ、 次回(来月)の話し合いが不調に終わった段階で、本裁判になる見通しとなった。  関係者によると、久保教授側から「教授解任を決めた具体的根拠を示すこと」 「学外から(久保発言について)批判があったというなら、具体的に示すこと」 「教授会で久保教授の罷免を承諾したというが、実際の罷免(教授解任)の日付 と一致しないのはなぜか。またその時の教授会の出席者名簿を示すこと」などの 要求が出されたとのこと。  これに対して享栄学園側は、十一月十日までに回答書を提出するという。また 裁判所は、次回の審尋を十一月二十七日に行い、これで審尋を終えるとしている。  久保教授は「和解案もあったが、学長や理事長に謝罪せよとか、私の学外での 活動を規制するなど、まったく話にならない内容だった。三重県人権センターの あり方を批判して、なぜ私が教授職を追われなければならないのかという、一番 肝心の説明がない。解放同盟の暗躍が指摘されているが、とにかく真相を明らか にしないことには、第二、第三の久保事件が起こると思っている。最後まで全力 で闘う」とコメントしている。  久保教授は三重県人権センターについて、県立の施設としてはあまりにも展示 内容などに偏りがある。これでは人権センターではなく同和センターだ。様々な 学説や意見があるものについては、バランスの取れた資料展示をすべきだなどと 発言。これに対して、鈴鹿国際大学と享栄学園側が同和差別発言だとして、教授 職を解任して、事務職員に降格するなどの処置をとったため、久保教授側が地位 保全の申し立てを津地裁に行ったもの。  現在、久保氏は教授職に復帰しているが、教授会への出席や講義、研究室の使 用などは認められていない。関係者らは、三重県人権センターと部落解放同盟三 重県本部が表裏一体の関係から、解放同盟から何らかの圧力や恫喝が大学側にあ ったのではないかとみている。  久保教授は中途半端な和解はしないと語っているだけに、本裁判に持ち込まれ る見通しが濃厚となっている。