言論圧殺・人権侵害の圧力から三重県久保支部長を守れ

「世論」116号 平成12年3月25日発行



 三重県支部長の久保憲一鈴鹿国際大学教授が、理不尽な言い掛かりによって教壇から追われている。詳しくは雑誌 「正論」4月号の、三重県の暗部を告発したレポート「校長が自殺し、教授が解任される」に書かれているが、その解任された人物が久保教授なのである。では久保氏は解任されてしかるべき事をしたのか?

 解任理由は「三重県人権センターの展示内容を批判し、それを地元紙に語った」 からだという。いかに何でもそれはなかろう。仮にも大学と名の付く場所で、言論を理由に解任する事が認められるのか、学問の自由・言論の自由という金科玉条はどこに行ってしまうのか、その為に戦った先人達に恥ずかしくないのか。まさに前代未聞の暴挙である。

 さすがに大学側も、 最初は教授職を解き事務職員にするという辞令を出しながら、その後は教授と事務職員を兼務するという辞令を出すなど、自分達がやっている事の恥ずかしさが少しは判っているのか、見苦しいドタバタ劇を演じている。どうして大学側がこんな恥ずべき暴挙に出たか、要は三重県の左翼の圧力に屈したという事だろう。

 しかし大学が、外部の圧力に一々屈していれば最後には教授などという人種は「そして誰もいなくなった」という事になろう、まさにマンガであ る。全共闘華やかりし頃、多くの教授が全共闘の圧力に嫌気がさし大学を去ったが、さすがに大学当局が解任をしたなどという例はない。一体鈴鹿国際大学には「学問の府」 というプライドはないのか、それとも言論の自由を認めないファシストの巣窟か?

 この大学の学長は、保守派の勝田吉太郎氏である。一体氏の日頃の言動とこの事態をどう結びつけたらよいのだ。 勝田氏は学長として給料をもらっている以上、この学問の自由を圧殺する大スキャンダルに対し、何らかの釈明をすべき義務があろう。

 久保氏は「世論」12月号の巻頭文で、氏の愛する三重県の現状を憂い、それ故に行動し言挙げすると語っている。 氏の現状告発の情熱の何が悪いのだ。氏の大学を愛する念、又勝田学長への敬意は並々ならぬものがあった。その久保氏の気持を踏みにじり、学問の自由、言論の自由を圧殺した責任を大学当局はどうとるのか。こんな人権感覚のない、天下に恥をさらした大学には受験生も、オッカなくて進学できまい。大学当局は直ちに前非を改め、久保教授に謝罪すべきである。

久保三重県支部長を励ます会 ―大盛会―

 人権侵害と戦う久保憲一三重県支部長を激励する「久保教授を励ます市民集会」が3月12日、三重県津市の「津ターミナルホテル」で開催された。会場は立ち見も出る大盛況、北本豊三重タイムズ編集長の経過報告の後、各界からの激励の挨拶が行われた。

 最初に登壇した本会三輪和雄会長は「言論の自由を侵すという、禁じ手を大学は使った。猛省すべきであり、直ちに久保氏を教壇に戻すべきだ」「これ以上ない人権侵害事件なのに、日頃人権問題で騒ぐ共産党や社民党はなぜこの場にいないんだ。言論の自由・人権を使いわけるのか」と熱弁をふるった。

 続いて三重県議、 津市議、他大学の教官や鈴鹿国際大のOBも発言、それぞれの立場で、理不尽な圧力に負けるなと、久保氏を激励した。

 最後に久保氏が挨拶、感謝の言葉と共に、力一杯頑張ると宣言、熱気は最高潮に達し満場の拍手を受けた。本会は今後共、全力を挙げて久保氏を支援する。


日本世論の会 三重県支部