(毎日新聞 平成16年9月17日)

元学部長らに200万円支払い命令

鈴鹿国際大 訴訟地裁判決

 鈴鹿国際大学(鈴鹿市郡山町)の久保憲一教授が、ミニコミ紙上の発言などを理由に事実上教授を解任する処分を受けたのは不当だとして、同大を経営する「享栄学園」(名古屋中区)と元同大国際学部長らに対し、処分の無効と慰謝料500万円の支払いを求めていた訴訟の判決が16日、津地裁(内田計一裁判長)であった。内田裁判長は「学問の自由は保障されなければならず、処分は懲戒事由がなく無効」などとして、訴えの一部を認め、元学部長らに対し、慰謝料200万円を支払うよう命じた。

 判決文によると、久保教授が99年11月のミニコミ紙上で行った発言について、大学は「教授として不適切」と辞職を求める決議をし、戒告処分とした。大学はその後、同教授に事務職への異動を命じ、教授会への出席や教育活動を禁じた。

 内田裁判長は判決で、「学問の自由は保障されねばならず、研究成果の発表の自由は十分尊重されなければならない」などと指摘した。ただ、久保教授は「教授」の身分にとどまっており、大学側が一時命じた事務職への異動命令の撤回を求めた部分については、地裁は「訴えの利益がない」と却下した。【鈴木顕】


日本世論の会 三重県支部