父母の方よりの便り

伊藤千枝子

作業所を見学してい実和子さんと千枝子さん

伊藤実和子さんと千枝子さん

伊藤実和子さんのことについて・・・編者
実和子さんは、村川 昇氏の西日野養護学校での最初の教え子でした。中学部を卒業する1ヶ月前に惜しくも病死してしまいました。このことは新聞にも取り上げられました。(資料写真参照・・・実和子さんの似顔絵の額を抱いてのお別れ会の様子が写っています。)千枝子さんは、その実和子さんの母親です。ホームページ作成にあたり文や短歌、写真等を送っていただきましたので、一部を掲載させていただきました。

校長先生から卒業証書を受け取る千枝子さん

国府校長先生から卒業番号は無しということで卒業証書を頂きました。

難病と闘ひにつつ日を過ごし をしくも散りし十六の春

いとし娘に皆が悲しみいたむ声 天に届きしか雨しとど降る

天国へ旅立ちし娘をいたみつつ嫁に行きしと我身に聞かす

よしと云うあらゆる医者にかゝりしがはかばかならぬひと世にありししも

一人前にシブガキ隊の大ファン 寝ても覚ても その事オンリー

十六で死にし我が子の立像一周忌に教える子故に木彫せし教師

流れ星に会ひたき思ひに空仰ぐ亡き娘しのびて春夏秋冬

クレヨンで描いたシブガキ隊3人の絵

実和子さんの描いたシブガキ隊の絵、津の展覧会に出品されました。

キャンプで「瀬戸の花嫁」を歌う実和子さん

 「流れ星」に会えた時、願いをかけたら思いが叶うよと小学生の時、母親に聞かされました。すでに還暦を迎えましたがはっきり覚えております。いつも星を眺めている訳ではありませんが、偶然にでも「流れ星」にあえたらいいなと思います。

 私は十五年前の二月に十六歳の娘を病死させました。それ以来時間があると空を仰ぎ娘の星を探します。

 流れ星に会えたらいいのですが、娘の星を探しながら「皆 元気でいますよ。お兄ちゃんは小百合さんと結婚したよ。」と心で語りかけます。

 どんなにしても娘のことは、消えたり忘れたりする事はありません。

 私が歌の仲間に入れていただいたのも、娘と死別した事がきっかけで、十五年の心の安らぎを味わわせていただいています。その上、腹を割ってお話し出来る仲間も出来ました。

北風の吹きすさぶ夜に空仰ぐ 冬になくせし娘の星尋ね

流れ星に会えれば心安らがん そして私は歌を続けむ

餅つき大会で杵を持つ実和子さん

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