・法律扶助制度とは?

・法律扶助制度を利用するには?
・法律扶助制度の手続きの流れは?
・終わりに


法律扶助に関する三重弁護士会決議


法律扶助制度とは?

  裁判を受ける権利は、憲法により国民に保障された基本的人権です。

 しかし、いざ権利を実現するために裁判を起こしたい、あるいは、突然裁判の被告として訴えられたといった場合、知っている弁護士もいなければ弁護士費用をすぐには用意できない、ということで頭を抱えてしまう方々が少なくありません。

 そのような方々の悩みを少しでも解消すべく、「弁護士費用等の立て替え」と「弁護士等の斡旋」を企図して創設されたのが、法律扶助制度です。

 これまで、法律扶助制度は、日本弁護士連合会が中心となって設立された財団法人法律扶助協会が一部国費の援助を受けつつ自主財源で運営して参りましたが、平成12年10月に施行された「民事法律扶助法」により、全面的に国費による運営が実現されるに至りました。これにより、国民の裁判を受ける権利がより充実されることを期待しております。

 また、民事法律扶助法施行に伴い、これまでは実施されていなかった、「書類作成のみの代行」も国費による法律扶助事業の1つとして利用できるようになりました。

 弁護士を代理人に付けるほどではないが、専門的な書類作成は自信がないという方には是非利用して頂きたい制度です。書類作成の代行は主として選任された司法書士が担当します。

 (財)法律扶助協会は、各都道府県に支部が設置されており、三重県の場合は、三重弁護士会(津と四日市)の中に事務局が設置されています。

<連絡先>

  津 :059−213−8808(電話番号が変更になりました。)

  四日市 :0593−52−1756

法律扶助制度を利用するには?

 法律扶助制度は、基本的に、経済的に弁護士費用を一度に捻出できない方々のための制度です。

 従いまして、まず、第一に、「弁護士費用を捻出できない」という資力要件を充足する必要がございます。

 賞与を含めた平均月収(手取り)の目安は次のとおりです。

単 身 者:¥182,000以下

・2人家族 :¥251,000以下

・3人家族 :¥272,000以下

・4人家族 :¥299,000以下

 以下、家族1名増加するごとに¥30,000が基準額に加算されます。

 ただし、上記基準額を上回る収入がある場合でも、家賃・住宅ローンや医療費・教育費等も考慮して決定されますので、詳細は法律扶助協会にご相談ください。

 

  次に、法律扶助制度の運営は、国民の皆様の血税を財源とするものですから、いい加減な支出はできません。そこで、第二の要件として弁護士や司法書士に依頼して事件が「依頼者の利益の方向で解決する見込みがある」という勝訴(解決)の見込みが吟味されます。つまり、完全な負け戦のために、国家予算を支出することはできないということです。

  なお、多重債務に苦しみ、自己破産申立や債務整理を依頼したいとお考えの方については、現在のところ、原則として「生活保護を受給」されている方あるいはそれに準ずる経済状況等の要件を満たす方のみが法律扶助制度を利用できることになっております。この措置は、国家予算の枠があることから生じるもので、将来的には改善して頂きたい点ですが、現状では如何ともし難い点です…。詳細は法律扶助協会にご相談ください。

法律扶助制度の手続きの流れは?

 あなたが法律扶助制度を利用したいとお考えになっている場合、まず、前記の(財)法律扶助協会三重県支部にお電話をしてください。

  手続きの流れとしては、まず、法律扶助の申込みをして頂き(その際、所得証明書や住民票等が必要となりますので、必要書類の詳細は確認してください)、指定された日に最寄りの法律事務所や司法書士事務所に出向いて頂くことになります。

 次に、そこで法律相談等を受けていただき、扶助決定の可否を決める審査に回す書類を担当の弁護士や司法書士が作成します。

 審査に回された書類は、弁護士と司法書士で構成される三重県支部審査委員会で扶助決定の可否が審査されます。主に勝訴(解決)の見込みが吟味されます。

 審査委員会では弁護士(司法書士)に支払われる費用の額も決定されます。

 審査委員会で扶助決定となれば、事件を担当する弁護士や司法書士が選任され、依頼者であるあなたと弁護士(司法書士)、(財)法律扶助協会の三者で契約書が交わされ、弁護士(司法書士)が事件に着手する、という流れになります。

 法律扶助制度は、あくまでも「弁護士(司法書士)費用の立て替え」をする制度ですから、あなたは(財)法律扶助協会に対して、扶助決定がなされた翌月から月賦(月額¥5,000〜¥10,000程度)で立替金の返済をして頂くことになります。

 ただし、特別の事情があれば返済を猶予・免除する制度も用意されています。

 費用については、弁護士の場合、事件開始時に着手金、事件終了時に成功報酬が立て替えられることになりますが、法律扶助制度の趣旨に鑑み、日本弁護士連合会が定めている報酬基準よりは格段に低い金額に抑えられています。成功報酬は、事件終了後、担当の弁護士から提出される結果報告書に基づき、あなたの意見をお聞きした上で支部審査委員会の審査にかけられ、報酬額が決定されます。

 また、司法書士の場合は、1つの書類作成ごとに一定額の費用が定められています。詳細は、法律扶助協会にお問い合わせください。

終わりに

  以上が、法律扶助制度のあらましです。

 平成12年10月より、国費による運営がなされるようになったとは言え、制度としては、国民の裁判を受ける権利の実現のためにはまだまだ改善すべき点が多々あります。弁護士費用等を月賦とは言え全て返済しなければならない点や、利用できる方々が所得の低い方々に限られる点などですが、さらなる改正の議論は根強く起こっていますので、今後に期待したいところです。

 ただ、裁判を受けたいのだけれども、自分ではどうすることもできないし、かと言って頼める弁護士もいなければ一度に費用も用意できない、ということでお悩みの皆様にとっては、現行の法制度においては、法律扶助制度が唯一そのお悩みをわずかながら解消できる制度であることは間違いございませんので、是非ともこの制度の存在を知っていただき、皆様の権利の実現・擁護に最大限お役立て頂くことを切に願ってやみません。


法律扶助に関する三重弁護士会決議