<会報くまの より>

   Skysensorで40cmを動かす 2

                               石井 徹

以前から挑戦し続けていた40cm鏡のスカイセンサーでの自動導入化計画は 、後から始めた畑中君が成功してからもいくつかの問題にぶち当たったままで、なかなかうまくいかなかった。
問題の大きな原因は、私の40cmがフオーク式
の架台に乗ったニュートン式鏡筒であるということにあった。 スカイセンサーは元々ビクセンの小型ドイツ式赤道儀を動かす目的のものなので、フォーク式には対応していない。 大きく子午線を越えて動かそうとするときなど、必ず鏡筒を反転させようとする。
ドイツ式赤道儀なら親切なプログラムなのだが、私の場合のフォーク式は反転させるとあちこち当たる箇所があってできない。
そして、小型のモーターにしてはトルクが大きいとは言えやはり小型、バランスの崩れた鏡筒ではトルク不足。 しかもニュートン式鏡筒は、向きによってバランスが崩れやすい。私の鏡筒は大型の重い接眼部を使っているから尚更である。
この原因を根本的に解消することは難しい。何度、「ドイツ式にしておけばよかった。」「カセグレンにすべきだったか・・・。」と内心悔やんだことだろうか。
今年の春すぎから、何とか動く状態にギア比を上げて組み、西の空だけを中心に写真を撮ってみたりしていた。東の空に向けようとすると反転するし、クランプをゆるめて動かしてもいざモーターを回すと、モーターが反対に回ってしまい、 自動導入とならない。しかも赤緯は、1/20のウオーム・ホイルでつないで約5 0分の1の速度となっている。 計算では20倍速ぐらいだろうか。実に遅い。
もう一つ問題は、「2000PC」なのにパソコンとうまく繋がらないということだ。相性のようなものがあるのかどうか不明だが、「ステラナビゲーター」では繋がったり、繋がらなかったり不安定であった。 また、畑中君に、「『The・Sky』の設定にミード LX-200があるけれど、これならフォークにも対応するかもしれない。」という意見をもらって早速試してみたが、スカイセンサー自体にフォークに対応する機能がないらしく、やっぱり反転してしまうし、どうも安定しないようでうまく繋がらないことが多い。続けていろいろやってみると、「Ultim2000」の方が安定して繋がるようだったが、もちろんフォークには対応していない。
やればやるほど八方塞がりの状態になりそうだったが、もう一度駆動速度と取り付け方から見直してみることにした。使える速度で動かないなら、苦労する意味がない。
これまで「トルクが少ない=ギア比が必要=ウオーム・ホイル」の図式から頭が 切り換えられなかったが、よく観察すると、ギアにいろんな方向への力が働いてモーター軸がひずみを起こし、ギアの目が詰まったりして動かなくなっているようだった。いろいろ検討した結果、以前使っていた減速ギアを利用して、平ギアで繋ぐことにした。これの方が妙な荷重はかからないようで、うまく回ってくれた。
今のところ、赤経が120倍速、赤緯が100倍速ぐらいで回せるようになっている。
こうなると何とか使えるようにしたい。  赤道儀の設定にこだわるのは、写真を撮ることを目的とするからである。スカイ・センサーには、経緯台の設定もあることは知っていたが、経緯台ではPEC機能は使えないから精度はでないと考えていた。しかし、写真ではなくCCDで撮像するなら使えるかもしれないと考え、試してみることにした。 
結果は、経緯台機能は眼視ではほぼ満足できる精度で自動導入することができたが、やはりせいぜい5分ぐらいするとずれてしまう。
また28mmの接眼鏡なら視野のどこかに入っているが、CCDの中心にということはできない。もっとも私のもっているCCDカメラのチップは、TC255という81000ピクセルほどの小さなものなので、この視野に入れるのはとても難しいことなのだが・・・。
今はこの経緯台機能を使って何とか写真を撮れないか研究中。CCDカメラのオートガイダー機能を使えないかとやっているが、今のところ成功していない。
 ここまで長かったし、いつになったら・・・とも思うが、これも致し方のないこと。 これこそが自作の苦しみであり、喜び、やりがいなのだろう。きっと。 ともかく、眼視でのぞく分には大丈夫なので、一度ちょっと覗いてみませんか。 そして一緒に重い屋根を開けましょう。(これもなんとかしたいなー。)

                          

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