番外編「ひとりごと」



ダメだと思った

でも

このまま帰りたくはない

気持ちの方が

強かった




なぜか あのとき

口ずさんでたのは

君の作った歌だった




君とは途中まで一緒に来たこの道を

自分の力で一人で登る




期待は裏切られても

やり遂げた充実感だけで

満足だ




この道が

辛くて険しいと

知っていたけど

自分で選んだ道だから

進んでみようと思う




どんなにすごかったのか

きみに教えたくて

一歩一歩足を進める




自然が

私の行く手を

阻む




自然の前に立ち

自分がどれだけ

小さなものかが

思い知らされる




夢は

かなうものではなく

かなえるものなんだ




自分の力を

信じたい




今はまだ

みえない




君は

君が思っている以上の

すばらしい力をもっているんだ

あとはそのことに君自身が

気づくかどうか

それだけなんだ




一番高いあの山の上に

君をひとり

置いて帰ってきました




すごく寒くて

座りこみ

それでも寒くて

横になり

大地の冷たさが

私を暖めた




横になり

薄れゆく意識

頬に

激しく打ちつける

暖かい大粒の雨




すごい人間でなくても

すごいことはできる




弱気なボクを見た君は

少しビックリしていたね

ボクも弱いんだってこと

覚えていてください




一番あいたいところで

あなたとはあえなかったけれど

あなたはしばらくして

とまどいながらも

あいにきてくれた




心地よい疲れ




君に会うときよりも

胸が苦しくなる




冷たくなった

おにぎりから

伝わってくる

あなたの暖かさ




あのころの私と

かわっていない

今の自分に

苦笑する




リアルタイム体験は

いかがでしたか




あなたの苦しみは

あなたにしか

わからないもの

私は想像するだけ




あなたがいたから

できたんです




君は気づいていないでしょうが

君は私の中ではすごいんです





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