TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)と、特に農業(米)との関係について少し、私なりに述べさせて頂きます。
TPPのアジア太平洋自由貿易圏における各国の状況は図のとおりです。
TPP参加予定国のうち5か国とはFTA(2国間自由貿易協定)が結ばれており、真にTPP加入が日本農業にとって必要なのか、なんの意味が在るのか。
農産物の関税率は表のとおり、米は778%と高すぎます。
何らかの対策をとらない限り米作農業は壊滅します。
各国は農業算出額に対する財政支援、農業予算をアメリカ65%、ドイツ62%、フランス44%、イギリス42%をそれぞれ出していますが、日本は27%です。
こういった財政支援策も検討されるべきです。
米60kg当たりの生産コストは、アメリカ(カリフォルニア)と日本とを比較するとアメリカが日本の5~7倍となっています。
平均作付面積 12ha 全国平均(i) |
16,750 |
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平均作付面積 14.5ha 全国10ha以上層(ii) |
11,254 |
経営面積 280ha(iii) | 2,180 |
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(i)/(ii) | 7.7倍 |
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(i)/(iii) | 5.2倍 |
それに日本では、農地への資本投下額が特異的です。
現状の生産額を関税が撤廃され各国と競争すべく所得保障をするとしたら、1兆3000億円の税金を必要とします。
どれくらいが妥当か難しい問題です。
他産業での補償も併せると気が遠くなる金額が必要となるでしょう。
津市の現状を見てみると総農家数9,537戸、認定農家260戸、集積面積2,000ヘクタールで集積率23%です。
大部分の農家、農地が宙に浮き放棄地が増えると思われます。
津市の現状
農家数 | 9537戸 |
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うち主業農家 | 417戸 |
農業生産法人数 | 27法人 |
認定農業者 | 260経営 |
特定農業法人 | 1法人 |
特定農業団体 | 0団体 |
農業従事者の高齢化、後継者不足や小規模零細農家の増加、さらに米価等の下落により、農家及び農業就業人口の減少傾向にある。
認定農業者の育成と集落営農の拡大・法人化を図っていく必要がある。
管内の農地面積 | 8,750ha |
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これまでの集積面積 | 2,012ha |
集積率 | 23.00% |
農家数の減少及び農地の資産的保有傾向が強いので農用地利用集積が進まない。
※これまでの集積面積は、把握時点において担い手へ利用集積されている農地の総面積を記入
手持ちの農機具が故障すれば、現状を守らなくてはと放棄地にするに偲びず、なんとか続けてみえる農家の方がギブアップします。
TPP参加にかかわらず、日本の農業そのものを如何するのか、今しっかりと考えなくてはなりません。
大規模化から取り残された農地を如何に継続、維持していくのか。
大変難しい問題ですが、回答を探さなくてはなりません。
今、環境という視点から農地を見つめ、環境保全という見地からの再構築が必要と思っています。