議会報告city council report

県立一志病院の存続について

地域の医療を担い、住民に安心感を与え続けてきた位置し病院が今、存続の危機に直面しています。

平成20年9月に県知事に提出された「県立病院事業の在り方検討委員会」による各県立病院の改善に関する考え方(案)は、「一志病院については、保健・医療・福祉の領域にまたがる高齢者ケアへの転換を踏まえて「県立病院」としては廃止し、地域ニーズに応えられる事業者へ移譲することが適当である」としています。

またその内で、一次救急医療対応、福祉領域への対応などを勘案すると市への委譲も考えられるが、現実的には困難であると想定される、としています。

県によると事業者移譲は単に赤字だけが理由ではなく、高齢化で必要な福祉にまたがるサービスに県立では応じにくい、民営化した方が社会変化に即応できると判断した, と述べています。

また県は「この地域の医療をなくす考えはない。事業者を選ぶ際には、遠い将来まで医療を確保できるかで判断する」と理解を求めています。
これに対し、地域の美杉・白山の自治会は県に対し「保健・医療・福祉の連携による地域住民の安心・安全の確保のためにも、現状のまま一志病院を県立病院として存続を求める陳情書を」提出し、その後5月22日 津市民17,967名の署名をもって県立病院の存続、一次救急機能、訪問診療の継続を求める要望書が提出されました。

一方県は県民の声を聞くとして、「公聴会」「住民説明会」をそれぞれ開催し、その中で5月24日開催の地元住民説明会では、県の安田副知事は、「県としては開設した以上その責任がある。放棄する訳ではない」としながらも、民営化公募ベースの話に終始し、住民からは「既に決定されているような話は受け入れられない」等強い反発意見が続出しました。

県立病院は県民の為の病院、県は「診療域が限定され広域性があるとは言い難い」と言っていますが、合併により一市となった為、広域性が失われたとは地域住民に対する説明にはなっていないと思います

県議会は6月病院改革予算案の中で「公聴会」「住民説明会」を受けてその具体像を示す必要があると判断し調査費が盛り込まれました。

白紙の状態からの調査であってほしいし既成路線の確認調査であってはなりません。

一方津市議会は6月定例会で「県立一志病院として存続を求める決議」をしました。

県立一志病院

決議では、県においては一刻も早く地域住民に安心安全を与える義務があることを十分認識され県立病院としての存続や赤字経営解消のために最大の努力を払われることを強く求めるとしています。

それぞれの地域で県民のニーズに応える公的機関の病院として県民であり同時に津市民である地域住民への地域医療を絶やさないよう安心安全の県都を造りあげていきたいと考えています。

(平成21年6月議会報告)