ダイジェスト2 (99年 アイルランド・ゴルフ紀行 より)
……。アイルランド島が大西洋に落ち込む西の果て、ラヒンチの町の近くに「
モハー
の断崖」と呼ばれる、世にも恐ろしい断崖絶壁がある。高さ200mの絶壁が約8km続き
がけ下には白波が渦を巻く。
岸壁から10mほど内側に石畳の遊歩道が作られている。でも、ほとんどの人はその外
側5mほどのところを歩くので、その部分の草がなくなり、自然歩道ができている。もっ
と勇気のある人は、崖っ淵を歩く。
突き出た岩の先端

から、下を覗き込んでいるアベックがいた。男が身を乗り出して下を
覗いているのを、女が後ろから腰のベルトを引っ張って支えている。「俺ンとこやったら『
アラぁ、手がすべったわ』って言われて、すぐ
ポッチャンやぞ」と、隊長は相変わらず人生の真実を突く。
日本ならば、確実に「立ち入り禁止」と書かれた立て札があちこちに立てられていて、下を覗くなどということはありえない。今までに、落ちた人もいるだろうと思うのだが、それはその人の責任ということなのだろう。 ……。
←アイルランドは岩の島である。海面から岸壁がそそり立っていて、表土は極めて薄い。この島での農業は、まず土作りから始まる。
ダイジェスト3 (93年 カリフォルニア・ゴルフ紀行2 より)
ペプルビーチ7番107ヤードの打ち下ろしショートホールはあまりにも有名!
海に突き出た打ち下ろしのグリーンに向かって、普通はショートアイアンで十分届きます
が、太平洋から吹き寄せる右前からの強いアゲインストの時には、プロでもミドルアイアン
を持ち、海の上へボールを打ち出すという、勇気が試されるホールです。
ピッチングを持った翔くんの勇気のショットは、軽いドローを描きすぎてグリーン左奥の
バンカーへ。2オン2パット、何ということはないボギ

ーでした。
7番 107ヤード パー3。 海に突き出た小さな
グリーンを5個のバンカーが取り囲んでいます。
右側とオーバーは全て海の中…、ショートすれば
開場以来一度も刈ったことがないと思われるブッ
シュに捕まります。
ダイジェスト4
(96年 ヨーロッパ(フランス・スイス・イタリア)ゴルフ紀行 より)
車でも鉄道でも、この町を訪れる人は、左右に海を見ながらリベルタ橋を渡る。アドリア海
の真珠「
ベネツィア」は、ラグーナ(潟)の上に浮かぶ水上のまぼろしである。
何のために生きているのと問えば、イタリア人は言う。『
マンジアーレ(食うこと)、
カ
ンターレ(歌うこと)、
アモーレ(愛すること)』と。幸福について考えるなら、人はイタ
リヤに行かなくてはならない。「ベネッイアのリアルト橋に半日立って、人が生きるという
ことはどういうことか、じっくりと見るがいい」と中日春秋子がいうように、イタリヤでは
ただ地上にいるだけで幸せなのだ。
ベネッイアは周囲11kmの小さな島、だから歩いて見て回るので十分である。…。
サンマ
ルコ寺院は「黄金のパシリカ(教会)」と言われ、ベネッイアの象徴…。映画「旅情」での
2人はこの前の広場でめぐり会い、灼熱の恋に落ちる。「こんなに運河だらけで、水の中へ落
ちる人は居らんのかなぁ」と章くんが心配する。後日、日本へ帰ってから見た
「旅情」のワ
ンシーンで、写真を撮ろうとするキャサリン・ヘップバーンが、後ずさりしながら運河へ落ち
ていた。やっぱり何人かは落ちてい

るのだ、恋にも水中にも…。
甘く切なく奏でられるゴンドリエーレの舟歌の流れる中、ベネッイアは栄光の日々への追憶と興亡の歴史のロマンを秘めながら、アドリア海の水の上に、静かに…しかし、なお、あでやかにその姿を浮かべていた。そして、訪れた旅人たちは皆、この街で見た夢の数々を胸に、もと来たリベルタ橋を戻る。
←ベネッイアの街 水上バス・水上タクシーなどが見える。町に自動車はいない。
ダイジェスト5 (2000年 カナディアン・ロッキー・ゴルフ紀行 より)
バンフ・スプリングスGCの15番をホールアウトして16番へ向かう道は、公道をカー
トで走る。
ボウ滝を右手に見て、ホテルの裏側に通じる坂道をひたすら登っていくと、道の左
手に、目も眩むばかりに豪快な打ち下ろしの16番、444ヤードパー4のティグラウンド
がある。高所恐怖症の翔くんは、すこしお尻がこそばゆい。
目をつむって「えいっ!」とティショットを打ち、セカンド地点へ行くとビックリ!!。
グリーン近くのフェアウエイを、20頭ほどのエルクの集団が、立派な角を持った大きな雄
を中心にハーレムをつくって占拠しているではないか。
ここで、
大事件発生!。グリーンまで残り220ヤード。バッフィで打った翔くんのボー
ルは少しトップ気味のライナーで、何かの気配を感じたのか、ボールのほうを振り返った一頭
の雌のエルクの鼻柱を直撃してしまったのである。
お前さんかい、うちのかあちゃんに ボール当てたン!
と怒る エルクのお父さん →
←「この人よ、エルリンちゃんの美貌を
台無しにしたの」
と、皆んな冷たい視線を浴びせる
行き当たりばったり 怖いもの知らず!
言葉なんて解からなくたって
人間は心や!!
熱いハートで世界を駆ける おじさんたちの
国際版 迷プレー 珍プレーの
始まり始まり〜ッ!
ダイジェスト1 (92年 カリフォルニア・ゴルフ紀行1 より)
全米第二の都市ロサンゼルス市内を巡り、そこからサンフランシスコ
まで、全行程1600kmにおよぶ見知らぬ異国の車の旅を、レンタカー屋で
サービスにもらった一枚の地図でやろうというのですから、この旅を企
画した村上隊長の肝っ玉の太さには驚きを通り越して感動すら覚えてし
まいます。
その交差点を右に曲がればすぐに目的地なのに、「ムムッ、ここは勘
や。左へ曲がれ、左〜ッ!」と、左に曲がってまた迷子…。
その隊長に、「本屋に寄って、カリフォルニアの道路地図を買ってくだ
さい」と言うと、「アメリカに道路地図なんか売っとるかい。本屋で売
っとるンは、平和ボケの日本だけで、アメリカで道路地図は軍事秘密じ、 ゃ」といった調子なのです。(ホントは売ってる!)

←リトルトーキョーの街角で「二宮金次郎」の像を見つけた。今はもう、「柴刈り縄ない草鞋をつくり…」の歌を知る人も少なく、日本ではほとんど見ることのできなくなった像だが、異国の地で自らの運命を切り開かねばならなかった一世の人たちは、金次郎の姿に勤勉を戒めとし、苦節の日々に立ち向かっていたのだろう。
ようこそ
2004/7/27 更新


ダイジェスト6 (03 タイ・ゴルフ紀行より)
タイ舞踊を堪能したあとは、向いの劇場で、
ニューハーフショーであ
る。オカマというと、どうもよいイメージは湧かないが、タイのオカマた
ちは市民権を与えられていて、このショーも評価の高いエンターティメン
トであるらしい。
午後9時30分から始まったショーは、10幕以上あったと思う。最初
は男だと思っているから、化粧や整形できれいになるんだなといった意識
で観ていた。
3・4幕ごろになると、ン…ホントに男だったのかなと思い、5・6幕
ごろには ホントは女 じゃないのかと思い、7・8幕ごろには、拍手また拍手。フィナーレに
は、何かプレゼントをしたいと思うほどで、言ってみれば宝塚の追っかけファンを裏返したよう
なものである。
ショーがはねてから、舞台に立っていた子たちはロビーに並び、客と一緒に写真に収まる。1
枚40バーツだ。ショーを観ながらお目当ての女の子(?)を決めていた客たちは、キャーキャ
ー言いながら何枚も写真を撮ったり、一緒に撮ってもらったりしていた。
翔くんもショーを観ながら「キレイな子だなぁ

」と思った子がいて、ロビーに出てくるとその子と目が合ってドギマギしてしまった。その素振りに何かを感じたのか、その子が翔くんの腕を取って、「写真、撮りましょう」と誘う。『タイまで来てオカマの誘惑に屈しては、ふるさとのみんなに会わせる顔がない』とここは踏ん張って、翔くんは一緒の写真は撮らずに帰ってきた。… 撮ってくればよかった!
ダイジェスト7 (03 ラスベガス ゴルフ紀行)
だだっ広い砂漠の中に、フロンティア・スピリットと絶大な工業力で建設した、ラスベガスの
ゴルフコースはエキサイティングでスリリングだ。
1番は、いきなり150Yほどのブッシュ越えのティショット。チョロしたら、そこでお帰り
だ。2番574Yパー5は、セカンドで掘れ込んできてい

る大きな谷を越えなくてはならない。
谷の深さは半端じゃなくて、落ちれば死ぬ。
まわりは岩山と砂だけのコース。右の方に、この
コースの名前の由来となった「滝(フォール、コー
ス内には7つのフォールがある)」が見える。
この砂漠の中に、何で滝があるんだ! →

ホテル「シーザーズパレス」の中は、古代ギリシャ、ローマ帝国だ。10万坪の敷地に展開される古代絵巻は、見て回るだけで2〜3日はほしい。入り口にはサモトラケのニケ像、玄関を入るとミロのビーナスやミケランジェロのダビデ像が並び、ショッピングモールは古代ローマの町並みである。
食事をどうするか、フラミンゴへ帰ってからゆっくり食べる方がよいのかと考えたのだが、せっかくのラスベガス…、違ったところで食べるのが楽しい。それにここはシーザースパレス。僕はすでに、ルビコン川を渡っているのだ。

ダイジェスト8 (
05 ハワイ・ゴルフ紀行より )
そして3番。これが世界的に有名な海越えのパー3である。チャンピオンシップ・ティ
(黒)からは261Y。バック(青)からは210Y。景色を見ると、黒ティ261Yの
大迫力に、このホールだけは黒ティから打つしかない。ティグラウンドからグリーンまで
は、太平洋の荒波が黒い溶岩の岩場に砕ける海を越えていく。黒ティからは、220Y以
上のキャリーボールを打たなけ

れば、対岸へ届かない。
ワンオンできればまさに極楽気分。生涯、
人に語れる思い出となるだろう。ここでナイ
スオン、バーディでも奪えれば、あとのホー
ルなどどうでもよくなる。
← 3番261Yパー3をグリーンから撮っ
たもの。カートの止まっているところはバッ
クティ(青)のカート置き場。チャンピオン
シップ・ティ(黒)は後ろの松林の中!
チャンピオンシップ・ティから、章くん、迷わずドライバーを持った。チョロやトップ
はモチロンご法度だが、左へ引っ掛けたり、フックを打ったら、これもボールは太平洋の
藻屑と消える。
乾坤一擲、章くんの渾身のドライバーショットは、グリーン右のラフへ…。一発勝負の
ショットとしては、まぁこんなものだろう。
ダイジェスト9
 |
フロリダキーズ 絵葉書より |
(
04 マイアミ・ゴルフ紀行 )
今日も、フロリダの空は抜けるように青い。起きたとき、『ゴ
ルフに行こうかな』とも思ったのだけれど、日本を出る前から決
めていた「フロリダキーズ 洋上のドライブ」に出かけることに
しよう。
「
フロリタキーズ」は、フロリダ半島の先端からメキシコ湾に
向かって伸びる、約50の珊瑚礁の島々のことで、「キー」とは
サンゴ礁の島の意味である。これらの小島は42個の橋で結ばれ
ていて、その先端が「キーウエスト」と呼ばれる小島だ。
島々を結ぶのは国道1号線(US-1)、はるかカナダ国境から、
最果ての地、このキーウエストの先端で海に没する。今日は、こ
の「世界で一番美しいドライブウエイ」といわれる、海の中の道を走ってみようというので
ある。
ダイジェスト10 ( 06 タイランド )

いつまでもむずかる男の子のほほに、母親のビンタが飛んだ、ぬかるみに転がり、泣きじゃくる男の子…。
やがて雨も止み、父親は荷物を抱え、母親は赤ん坊を抱き、しゃくりあげる男の子の手をおばあさんが引いて、一家はどこかへ立ち去っていった。
発展途上にある国は、整備しなければならない事柄がたくさんあって、福祉や厚生といった事業は後回しにされる嫌いがある。しかし、もし国家から何の恩恵も…教育すら受けられない子どもが、将来、自らや家族が生きるために人のものに手を伸ばすようなことがあったとしたら、果たしてそれは犯罪なのだろうか。国が貧しいというこ
とは、それ自体が罪なのではないか。
その家族の姿を見送りながら、頭上にそびえるラーマ1世像に向かい、章くんは問う、
「王よ、あなたは、あなたの民を守ったか。あなたの民を幸せにしたか」と。大王の建国
の偉業の範疇からは、一人の民の幸せは小さすぎて零れ落ちるささやかさなのだろうか。
ダイジェスト11 ( カナディアン・ロッキー 2006 )
バンフ・スプリングスGCの14番をホールアウトしてから15番のティグラウンドま
では、ゴルフカートで一般車と同じに、ボウ川沿いの公道を走っていく。15番ティグラ
ウンドは途中で左へ折れて、バンフ・スプリングス・ホテルの裏手へ上っていく道の途中
にあるのだが、左へ折れずに100mも行くと、
ボウ滝がある。
滝そのものは落差も数メートルぐらいのもので、イグアスとかナイアガラとは言わない
までも、日光の華厳の滝や熊野大社の那智の滝を見慣れている面々には「何これ…滝?」
てなものだが、マリリン・モンロー「帰らざる河」の、いかだで濁流を下るシーン(だっ
たと思う)の撮影現場として有名だ。

ティグラウンドへ向かわずに、ボウ滝を見に行く章くんに、「後ろの組が来るンじゃないの」と奈津子が心配する。いつも章くんに、「最低のゴルフアーは、前を空ける輩」と言われているから、「プレーの途中に滝見物って、いいの?」とパニクッている。
「ロストボールを捜しに行くのさ、だから5分間だよ。このあとプレーをテキパキして、18番で追いつかなきゃね」と言いながら、章くん写真をパチリ。
ボウ川は、ここから様々に川の名前を変えながら、延々と7000キロを流れて、大西洋に注ぐ。
ダイジェスト12 ( 97 タイランド )
タイ料理は近隣の中国、ベトナム、マレーシアなど様々な国の料理が交じり合った、ホ
ントに味わい深い料理であると思った。新鮮で豊富な食材も勿論だけれど、最大の特長は
香辛料にあるといえるだろう。特に4大調味料とされるナムプラー(魚醤)、プリック
(唐辛子)、パクチー(香草)、マナオ(ライム)は多くの料理

に使われ、それぞれ辛さ
や香りを味わい深く演出している。他にもレモングラスや
ミントなどのハーブ、甘さの素となるココナツミルクなど
がふんだんに使われていて、最初はちょっとクセがあるな
ーと思ったけれど、国際野良猫の章くんはすぐに慣れて、
食べれば食べるほどヤミツキになった。
短い滞在であったので、1日が3食しかないことが残念
であった。日本へ帰ってからも、しばらくの間、タイ料理
店を訪ね歩いた。いずれも食材良し、味も香りも、微妙な
スパイスも満足のいくものだったけれど、先日のタイで出
会った味とは何かが少し違ったのは、あのタイの暑さの中で食べるのとの違い…だろうか。