ラジオ少年復活  

ラジオ少年復活

〜ほのかな真空管の灯りに魅せられて〜

 何十年ぶりかにハンダごてを持ちたくて音楽を聴くためのアンプを作ってみました。 
 戦後、ラジオの不思議に誘われて並四ラジオを振り出しに5球スーパーなど何台作ったことやら、ラジオ少年のころを思いだし真空管にはそういった郷愁もあって、オーディオアンプも2セットは真空管アンプを使っています。これはタンノイに接続しているのですが、もうひとつ往年のジャズを聴くためにJBLのセットがありますが、昔はジャズも真空管で鳴らしていたので、懐かしいジャズも真空管の灯りを眺めながら聴きたいものです。
 久しぶりのアンプ作りにはトライオードのKT−88シングルのキットを選びました。昨年同社の300Bシングルアンプを購入して満足していますので、つい同じメーカーのものを選んでしまいました。
 荷物が届いてから完成までを簡単に写真で紹介します。

 

配達された荷物と、中から取りだした状態で真空管はささったままです。

 

底ふたを開けると必要なワイヤー類が入っていました。それと取り去ったシャーシーの内側ですが、ほとんど完成みたいです。

 

私にとって老眼鏡とルーペは必需品、組み立てといっても取り付けられた部品間の配線のみです。

 

久しぶりの配線を楽しむのですが、ハンダの付き具合はルーペで確認しないと心配です。

 

出来上がりの図です。通電テストと若干のバイアス調整。

 

さっそくJBLに接続しての試聴は、極太のパンチの効いた期待以上のサウンドで満足です。

<作っての感想>
 キットといっても写真の通りの、ほとんど完成されたものです。期待はずれだったものの、これでよかった。歳を取るとこんなに手間取るものかとさみしくなった。1時間もあれば出来そうな作業だけど、ハンダが付いたかどうか勘も鈍っているし、付き具合が眼鏡をかけていても確認できない。懐中電灯とルーペで確認する始末。でも2時間あまりで組み上げることは出来ました。
 キットといっても同じ商品の完成品もあり、ステンレスのシャーシーや分厚いフロントパネルなどすべて同じ部品を使い、キットとは思えません。
 35・6年前にアマチュア無線で使うSSBトランシーバーを作ったことがありますが、これはかなり複雑で、しかもアメリカのヒースキットでしたから説明書はすべて英語。でも好きなことですから心は通う(?)もので、何日かかかってステップ・バイ・ステップで作ったときは、そんなにハンダ付けが大変でなかったように覚えています。でもこのトランシーバーで世界200か国ほど交信できました。自分で作った道具で楽しめる趣味はまさに道楽みよりにつきます。
 できあがったキットをスピーカーとCDプレーヤーを接続して、スイッチを入れると問題なく働きました。KT−88は初めて使う真空管ですが、その貫禄に惚れ込み、鳴り出した音は図太く力強いドライブに改めて惚れ込みました。300Bでタンノイを聴き、KT−88でJBLを聴く。これからの長夜の楽しみがまた増えました。

参考: TRV-A88S   実体図 (配線はこれだけ)

<2005.11.10更新>