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暇な人さんちのタンノイ


レポーター:田舎のGRF(2004.12.7更新)

2004年12月4日。

暇な人さんちで、ターンベリーHE75を聴きました。

ビックリマスダさんの話に良く出てくるのですが、実際聴くのはこれが初めて。
琵琶湖に近く湖岸の空気漂うお宅に着いて、広い玄関を入ってお土産をお渡ししました。
岐阜名物「起きあがり最中」の新作です(そんな事はどうでもいいですね)柱が赤く塗られたこの地方独特の日本建築を二階へ上がると、ドアを開けるなりいきなりガツン。
ドアの向こうには手作りの反響板が設置してあり、これにドアがぶつかって、1人通るのがやっとの広さ。
中に入ると、10畳はあると思われる洋室らしき部屋の面影は無し。
部屋の壁面を覆うレコードの入ったキャビネット郡、空いた壁には所狭しとアンティークな時計が散りばめてある。右にターンベリーとウエスギのKT88モノラル二台、300Bシングル1台。

ターンベリーの上には目玉のようなタンノイのスーパーツイーター。
部屋の中央付近には最近導入されたTEACのP−0s、下にウエスギのプリ。
その奥にマイクロのベルトドライブプレーヤー、SX−8000U、アーム二本付き。
また左にトーレンス、プレステージ、アーム二本付き。

壁の棚の中にはたくさんのアーム、カートリッジなど、お宝鑑定団の出張鑑定が必要になりそう。
地震が起きたら生きては帰れないことを覚悟して試聴を始めました。

最初、至近距離で聴いたターンベリーの音の強烈さに同行の湖都の閑人さんと顔を見合わせる。
しかし、聴けば聴くほど、雑味のない表現力豊かな綺麗な音であることが確認出来ました。
普段、GRFを広めの部屋で聴いている私と湖都の閑人さんにはカルチャーショックがありましたが、実に良く調整された非の打ち所のない音で、特にDL102を使ったアナログモノラル再生は聴き応えのある物でした。
時間を追うごとに低域も奥行きもどんどん聞き取れるようになってきて、これがもっと整理された響きのある部屋だったらどんなに良い音がするのだろうと期待させる鳴り方でした。
流石に音の入り口を一生懸命やっている音は、緻密さも内容も全然違う世界を醸し出しています。
タンノイのSTの効果も大きいようですし、高低をバイアンプで分けている効果も非常に大きいようです。
どうして、ここまで突き詰められるのかと感心しましたが、なるほど椅子が悪い。
これでは、居眠りどころか真剣にSPを正面からにらんで音を聴くよりしょうがない。
大半を居眠りして過ごす私と、眠れないで真剣にやっている暇な人さんの違いがそこにありました。

今回、私は先日オークションで手に入れたMr.ブライヤーなるカートリッジを持参しました。
暇な人さんが先日手に入れたMrs.ブライヤーと聞き比べをするためです。
一応アームの違いもあるのでしょうが、いずれも当時高価でMrが13万弱、Mrsが15万弱だったと思います。
MrsはMrに比べても製造個数が少なくめったにお目にかかれぬ代物です。
結果は、やはり二万円の差はちゃんとあって、Mrは他のカートリッジに比べてもかなりワイドレンジでバランスや音色も良く、ダイナミックレンジやトレース能力も優れたかなりパーフェクトな性能のカートリッジですが、Mrsは更に細やかな表現力、広いダイナミックレンジを持つカートリッジであることが判別できました。
聞き比べると音楽の滑らかな表現力はMrが荒く聞こえてしまうほどでした。
いずれも、発売された年代が遅く、このカートリッジのように現代的な性能の音を追求される方は、買って間もなくCD再生に移行してしまい、ほとんど使用していないものや、使用してあっても、流石にこのクラスのカートリッジを使う方は良いプレーヤーを使っていて、扱いも良い事で優秀な中古品が手に入ります。

今回の訪問で音の入り口の重要さを、いい加減にやっている私に突きつけられたような気がしました。
そして、居眠りしている時間が惜しいとゆうことも反省しています。
椅子は座りご心地が悪い方が良い。
お尻を温めて○○ラなど、以ての外であると知りました。

二時間程聴いて次の目的地ラーメン屋さんへ向かうべく、暇な人さん宅を後にしました。