その男は、4年ぶりに店にやってきた♪


4年ぶりに再会したわりには、風貌は昔と全然変わってなかった・・・



その男の名前はロイドと言う




俺は

「おぉ・・・ロイド♪久しぶりやじょ〜♪」

ロイドは、ぎこちない動きとぎこちない日本語で

「ハイ・・・オヒサシブリデス・・・ガガ・・ピー」

俺は

「今迄、何しとったんじゃ?」

ロイドは

「カコノキオクハマッショウズミデス・・・・ガガガ・・・」

俺は

「ま、元気そうでよかったな♪」

ロイドは

「ハイ・・・ガガガ・・・バッテリーコウカンシテキマシタ・・・ガガガ」



何を隠そう、このロイド

実は、ロボット野郎なのである・・・



俺は

「何飲むんじゃ?潤滑油か?」

ロイドは

「・・・・イミガワカリマセン・・・スペルオシエテクダサイ・・・ガガガ」

俺は

「す、すまんすまん・・・インプットしてなかったな・・・」

ロイドは

「ハ、ハイ・・・・トリアエズビールクダサイ・・・ガガガ」

俺は

「ロボットのクセにビール飲んでええのか?」

ロイドは

「カラダノナカデジドウテキニエネルギーニヘンカンシマス・・・ガガ・・」

俺は

「わかったじょ♪お前がそう言うのなら・・・」



俺はロイドにビールを出しながら

昔の事を、思い出していた・・・





約4年前・・・・





ロイドは毎晩のように店に来ていた



しかも、人造人間らしく、全く決まった同じ時間にやって来て

同じ飲み物を注文して

同じ時間に帰っていく・・・

それが、ロイドのサイクルであった・・・





当時俺たちは、ポーカーが店で流行っていたので

毎晩遅くまで、博打に勤しんでいた・・・




ある日、ロイドが

「コレハナントイウアソビデスカ?ガガガ・・・・」

俺は

「ポーカーやじょ♪お前には難しいから止めとけ!」



ロイドの人造人間としてのプライドが、今の一言に火をつけた!(笑)



「ガガガ・・・オシエテクダサイ・・・」

「サイショハマケルカモワカリマセンガ・・・ガガガ」

「パターンヲキオクサセレバカテルトオモイマス・・・ガガ」




俺は、心の中で

「うひょひょひょひょ〜♪かかったじょ♪」







ロイドは

まばたきひとつせずに、ルールを人工頭脳にインプットしていった・・・




あれから何時間経っただろうか・・・

ロイドの動きに変化がみられた・・・



ロイドは、急に立ち上がった!



俺は

「ど、どうした?ロイド・・・大丈夫か?」



ロイドは

「ショウベン・・・ガガ」



ホンマかいな・・・(笑)




俺が

「そろそろ最後の5回にしようぜ♪もう朝やじょ♪」




ロイドは

「ガガガ・・・・.;@[@[;;,.:.[@p@[@[@[@,[;::;]:.................................................」





動かなくなった・・・(笑)

バッテリーが切れたのか?




帰り間際、ロイドはぼそっと呟いた・・・


「今月、来月の生活費が・・・無くなったじょ・・・」

「HATCHさんは鬼や・・・鬼畜や・・・・」






それが、ロイドを最後に見た夜であった・・・・






過去の記憶が走馬灯のように駆け巡った







俺は、ロイドに

「久しぶりにするか?」

と言い、トランプをロイドの目の前に出してみたら

ロイドの人工の瞳から、緑の涙が流れ出た・・・(笑)






そこへ、俺の妹がロイドに

「安藤君、久しぶり♪元気?」




俺だけ、あいつの事をロイドと呼んでいるが

他の奴等は「安藤」って呼んでるらしいわ(笑)




安藤呂井人・・・・アンドロイドやな(笑)





ちなみに、ロイドのおかやんは

近所では

ミセスロイドって呼ばれてるらしいけどな(笑)





ま、これからまた来るって言うとったから

そのうちに、君たちもロイドに会えると思うじょ♪




しかし、あの時はホンマに・・・

沢山負けたな・・・・あいつ(笑)




そりゃ4〜5年ぐらい壊れるわ・・・(笑)