一行のSaGa


ナイトハルトとの謁見を終えて、一行はまた新たに旅立つ事になった。
のはいいのだが・・・
プル「何処に行くんです?」
問題はそれである。
この世界に詳しいシフとクローディアに案内してもらいたいのが当人達の本音
なのだが、彼女たちはそれもワザワザ面倒くさいと思っているらしい。
シフ「明確な目的が無いからね・・・」
そんなカンジで、一日ほどクリスタルシティの宿屋で費やしてしまっていた。
そこを打破したのが、ネメシスのこの一言。
ネメシス「そう言えば・・・ニューロードの始点って、どう言う所なのです?」
彼女たちは今までニューロードの終点に行ってきていたのだが、正直、始点は
行って見た事が無い。
シフも良く考えてみると、ノースポイントまで足を運ぶ機会がなかった事を思い出す。
シフ「・・・どうせこのままじゃ埒があかないから・・・」
そうして、一行はニューロードを逆行する事に相成ったのだ。

そして、グレイとアセルスは今、メルビルまで来ていた。
アセルス「なんか・・・中途半端な都会だね、ここ。」
アセルスはここに来るのは2度目になるが、前に来た時よりも一層そう感じてい
た。と言うのも、メルビルは元々歴史の古い都市で、町並み自体も完成度が
高く、下手にいじれない構造になっている為、近代化が進めにくい状況に
なっているのだ。
グレイ「仕方が無いだろう・・・」
ローバーンの方がどちらかと言えば近代的な感じがする。
しかし・・・
アセルス「どっちにしても、シュライクとかの方が近代的・・・
     っていうか、近未来的だよね。」
グレイに聞こえないようにアセルスは呟いていた。
アセルスが元々いた世界とこの世界とは根本的に文化レベルが違っている。
それは仕方が無いのだ。
アセルス「・・・」
ファシナトールのことを思い出す。
あの文化レベルが他に比べて低いリージョン。
そこで営まれている妖魔たちの生活。
そして・・・ジーナや・・・
アセルス「でも、あそこから逃げたかったのは、私だね。」
何故か望郷の念に駆られるのは、やはり恋しさも在るのだ。
アセルス「でも、取りあえずは・・・」
戻れないのなら、行くしかない。
ふう、と一つ溜息をついて、顔を上げるとそこには張り紙がある。
アセルス「・・・何?コレ。」
グレイもアセルスと同じ掲示を見る。
グレイ「・・・どうせする事が無いなら、これでもやってみるか?」
アセルス「うん。」
何やら、無性にからだが動かしたい。
それには、うってつけのものだった。
グレイ「じゃあ、行ってみるか・・・」
壁紙には、「女性失踪事件相次ぐ!皆さんの助力を仰ぎたい、何かあったら
      警察へ!」
そう、書いてあった。
11/25/2001