アセルス「あの時、私は永遠なんて願わなければ・・・っ!」 永遠は、悲劇と言う形で訪れた。 それも、彼女一人だけに。 アセルス「烈斗君・・・ああ・・・っ!」 幼いレッドの姿がグレイに重なる。 それを見ていると、アセルスは無性に何だか熱いものがこみ上げてきて・・・ グレイ「・・・泣くな。」 アセルス「!?」 自分は涙を流していた。 にごりの無い、無垢な涙。 アセルス「私が・・・涙なんて・・・」 涙は出なかった。 自分のこの境遇を幾ら呪おうとも、嘆こうとも一滴も出ることの無かった涙。 アセルス「どうして、涙が・・・」 自分は妖魔だ、涙などとうに枯れ果てたと思っていたのに。 アセルスは力ない声で何度も呟く。 グレイ「・・・お前は、まだ人間だから・・・涙が流せるのさ。」 真っ直ぐなグレイの瞳が、アセルスをあの頃の少女に戻す。 アセルス「・・・そうだね。ありがとう・・・」 そうはにかんだ笑顔は、魔力など感じさせない魅力があふれていた。 彼女本来の、人間としての魅力が。 グレイ(やべぇ・・・赤くなってるな、俺・・・) 二股か、と後ろで呟いていたモニカを、グレイは思い切蹴り飛ばした。 モニカは禍禍しさがわずかながら薄れているアセルスとグレイの旅立ちを許した。 先日までは、確かに野に放ってはいけないはずだった人間・・・いや、超自然生物 が、昨日の今日、不吉さを無くしている。 家を出るときのアセルスの顔はすがすがしく、彼女は世話になった、ありがとう と手を振って出ていった。 そんなアセルスの様子に安堵しつつ、モニカは二人を見送り、一つ溜息をついた。 モニカ「・・・全く・・・これじゃあ、ねぇ・・・?」 家の周りには、忍び寄るローバーン公コルネリオの・・・いや、その妻のマチルダ の私兵たちが、忍び寄っていた。 モニカ「ナンとも、一筋縄じゃいかないか。」 レッドは一方、ミリアムとバブリーと、リュートと共にバカラに来ていた。 バニーガールが一杯である。 レッド「何してるんだろ俺・・・」 ミリアムが、一晩でスロットを二つつぶしたのは、別の話として。 |
11/21/2001 |