会議のSaGa


コウメイ「来週に、本来ならば世界の権力者達が民主的に政治運営を行う為の
     世界サミットがあります。」
エレン、エンリケ、エレノア、シェリル、マリア、そしてコウメイが一同に会した。
会議の前にエレンがエレノアとシェリル、マリアの紹介をエンリケとコウメイ
に軽く済ませた。
コウメイ「しかし、今の世界情勢はアバロン討つべしで、会議が開かれても最も
     重要な位置を占めるアバロン自身が参加できない状況に瀕していま 
     す。そして、それこそが我々にとっては最悪の事態なのです。」
エンリケ「・・・先の貿易協定会議でも、武装商船団は全面的にアバロンの支援
     をしているって事になっちまってる・・・」
コウメイ「取り敢えず、今の世界情勢を説明させていただくと・・・」
コウメイの説明が小1時間ほど続き、エレノア達もある程度の状況が知りえた。
砂漠の戦士から聞いた話とは若干違ったが、それはあくまでも視点の違いであり、
大幅な差異は見られなかった。
エレノア「・・・アバロンの戦況は、非常に分が悪い・・・のね。」
コウメイ「そうです。我々は、政治的にも軍事的にも孤立しています。」
マリア「そこで、サミットでその立場を挽回しようってわけね・・・」
エレノア「でも、四面楚歌な状況でサミットに出ても、状況改善は可能なの?
     聞く耳もたれなければどうしようもないわよ。」
コウメイ「それはご心配なく。私にお任せ頂ければ。」
マリア「・・・」
マリアはこのコウメイという男を何処かで見たことがあるような気がしていたが、
思い出せずにいた。
コウメイ「そこで・・・あなたにも一役買ってもらいます、フォーファーの天才
     児、マリア様。」
コウメイが自分の名を必要以上に厭味っぽく言うと、マリアの頭の中にもあること
が浮かび上がった。
マリア「・・・思い出した。アバロンの生んだ異端の鬼才、コウメイ。
    あなたの事はそういえば見たことがあると思ってた。
    ・・・あたしの論文の本旨を理解できた唯一の人間だったわね。」
コウメイ「覚えていてくれて光栄です。・・・まあ、そういった話は後にしまし
     ょう。今は、この事態を何とかすることが肝心です。
     しかし、フォーファーの内部に顔が利くあなたがいてくれるのは
     嬉しい誤算です。あなたの存在自体も頭脳も、我々にはありがたい
     モノですから。」
マリア「人をモノとしか受け取らないその発言・・・あたしは嫌いじゃないけ 
    ど、他の人に足をすくわれるかもよ?」
コウメイ「・・・失礼は承知ですが、私はこういった論理的思考でしか上手く
     人と話せないのですよ。」
マリア「まあ、良いわ。あたしらはアバロンには何の義理も無いけど、このまま
    あたしはフォーファーにとってよくない事態が起こるのは見逃せない
    から・・・」
エンリケ「オレ達も、商売がしにくくなるしな・・・戦争は真っ平だしな。」
マリアが、エレノア達に視線を送る。
あなた方は?と聞いているのだ。
エレン「私は・・・そうだね、何か、やらなくちゃ女が廃る!って感じ。
    最近むしゃくしゃしてたから、何かしたいって気もあるしね。」
エレノア「・・・暇だし、面白そうだからやるわ。」
シェリル「エレノアがやるなら私も。」
コウメイ「・・・では、取り敢えずこれからの行動を提示したいと思います
     が・・・」
コウメイは何も感情が無い人間ではない。
それを説明できる言葉が、上手く出てこないだけなのだ。
彼自身はドライな人間ではない。
彼女達にできる恩返しは、自らの作戦で出すしかない。
そう、コウメイは思った。
11/14/2001