公益のSaGa


商売とは信用問題である。
それは、何処の世界でも変わらないものだ。

エンリケは頭を痛めていた。
エンリケ「くそ・・・あの頑固者どもめが・・・そんなに戦争をしたいのか!」
貿易に関しての協定についての会議であった。
現在、武装商船団はアバロンにとってもカンバーランドにとっても中立の立場
をとっている。
つまり、今後戦争になるかどうかは武装商船団の取り組み次第で決まると言っても
過言ではないはずだった。
しかし。
大臣「我々の連合から脱したもの達とは聞く耳持ちませんな。」
の一点張りである。
別にカンバーランドと手を切りアバロンに与したわけではない。
しかし、表面上ではどうか。
さもアバロンの味方をしているような扱い。
そして、エンリケが渾身でアバロンと連合してないことを訴えると、長老方は
「それならば、我々に武装の調達と、資金援助を全面的にしていただきたい。」
とのこと。
信用も無しに、単に搾取されるだけの存在なのか。
一歩引いた視点で物事を見ると、エンリケは呆れるばかりだった。
今まで、自分はそのような連中に与し、コウメイのような人物と敵対していたの
だ。それは、自分自身の愚かさ、そして正義と信用を著しくおとしめるものだとも
考えられた。
エンリケ「くっ・・・カンバーランドは、いつからこうなったのだ!?」
エンリケは唇をかんだ。


トーマスの方は商売は順調だった。
彼は元々人当たりがよく、戦いのことよりも商学的なことの方に才覚を示して
いたのだ。
今回のトレードはきっかけに過ぎない。
彼がうまく軌道に乗れた原因は、偏に彼が客やエージェントとの関係を重視したた
めだ。
そして、彼自身、最初に手が出せる物件でも、エージェントや会社経営に信用がお
けない企業となら商売をしなかった。
人を見る目。そこから生まれる信用が、商売では何よりも大事なのだ。
トーマス「やれやれ・・・」
とりあえず会社自体もそれなりに、とはいえまだ民間経営レベルだが、大きくなり
始めている。
サラやモニカ達にも仕事が回り、暇はだんだん無くなり始めている。
しかし・・・
トーマス「マミは仕方がないか・・・」
11/10/2001