情緒のSaGa


どうやら、トーマスは最初の物件交渉に出向いたようだった。
マミ「へー・・・もうするんだ。」
フルブライトやリブロフのラザイエフに表立ってではないが援助されている身である。
これくらいの事は迅速に行動できる。
問題はこれからなのだ。
マミ「うーん・・・」
とはいえ、他の四人はとりたててする事もなく、部屋でトランプにふけっていた。
本当はマミはトランプのカードが全て読めるのだが、そんな事をしても面白くな
い。いかにして上手く調節するか、頭を彼女なりに使うのだ。
サラが取りあえず最初にトップを取った時に、モニカが悔しそうな表情を浮かべた
のをマミは見逃さなかった。
マミ(あ・・・この人って実は負けず嫌い?)
次はモニカをトップにするのに・・・
トランプといえど、侮れないものだ。
ハーレム状態のユリアンは自分の状況よりも、トランプで勝てない事の方が
重要だったようだが。

この頃ロアーヌでは、ミカエルはモニカの居場所を知りつつも行動できない立場に
置かれていた。
ロアーヌが彼の知り得ないところでドフォーレ商会と癒着していたからである。
フルブライトに庇護されている事を知り得た彼はこの状況では一個人の感情
でモニカを動かせない状況にあるのを知った。
彼自身はドフォーレではなくフルブライトと商売していたつもりだったが、
何処でどう狂ったのか、ドフォーレにその流通経路を確保されてしまい、
今やフルブライトを裏切ったという格好になってしまっている。
フルブライトも冷静な男で、これは恐らくドフォーレとの関係もあるのだろう
と見ぬいてはいるであろうし、だからこそ表立って対立をしているわけでもない。
しかし、立場上ではミカエルはモニカの脱走に関し一度は縁を切る事も宣言した
身である。
ここでモニカを連れ戻せば関係悪化が進む。
いや、それよりもまず妹を政治に利用される事はしたくなかったのだ。
ミカエル「くそ・・・我々には手が出せないのか・・・」
だからといって、有効な手舘はない。
彼自身がドフォーレに感知してからは表立った動きをけん制しているが、あまりに
気づくのが遅すぎていた。
ミカエルには、待つしか手舘がナいのだ。
ミカエル「ドフォーレめ・・・一体、何をしたいのだ!?」
10/31/2001