酒場は荒れていた。 乱闘だとかそう言う類のものはまだ起きてはいなかったが、何と言うか、その激しさが荒れ狂っていた。 というのは、全て恐らく戦争に関する事だからだろう。 コウメイが店に入ると、あたりからちらほらそんな声が聞こえてくる。 ――アバロンなんて武装商船団がかかればイチコロよ! しかし、意気込む声の裏には何処か怯えが感じられる。 そうやって酒を飲み、大口を叩き合い笑う事によって自らを奮い立たせる。 そんな気もする。 かつては世界中に領土を誇っていた帝国、アバロン。 果たして、隠していた軍隊はどの程度の実力なのか? いや、今はカンバーランドに苦戦しているが、今までさらに隠しとおしてきた 軍隊があるかもしれない。 そうだ、かつては栄華を誇った帝国なのだ。 その懸念と不安は、そしてコウメイの予想通りだった。 コウメイ「やはり、武装商船団は一番落としやすかったのは間違い無いですね。 帝国との付き合いが深く、長かったですし・・・」 何より、恩恵がある。 とりあえず、周りを見ている限り首領らしい人物は居ない。 情報も是までのようだ。 コウメイが酒場を後にしよう、そうしようとした時・・・ ゴン! と喧騒の中ひときわ通る鈍い音が鳴った。 そして、程なくし巨体の男がコウメイの目の前に降ってくる。 コウメイ「?」 喧騒も先ほどまでとは色が変わっている。 何やら、乱闘モードだ。 海賊「なんだぁ!?このアマぁ!!」 どうやら、騒ぎの張本人は女性らしい。 本来なら関係無い、と後にしたいところだったが、あまりに情報が少なすぎる。 それに、このままではあまりに暇と言う物だ。 コウメイ「・・・少しくらい、見ていきましょう・・・」 |
08/05/2001 |