砂漠のSaGa


エレノア「・・・暑い・・・」
当然、砂漠の気温は40度近いものだ。
でかい帽子に長袖のローブを羽織って歩く場所ではない。
しかし・・・メイド姿のままのシェリルは何ら暑そうには見えない。
シェリル「ええ、暑いわね。」
この子が言うとまるでそう聞こえないのだ。
エレノア「あなたねぇ・・・ううっ、声を張り上げると・・・」
仕方ないので、エレノアは上半身が動きやすいノースリーブのシャツを羽織りたがる。
どうせ周りに人は居ない。別に裸くらい如何という事は無い・・・
が。
シェリル「エレノア、エレノア。」
エレノアはローブが汗で脱げないらしく顔にかぶさった状態でナにも見えない。
エレノア「なーに?」
シェリル「何か、魔物っぽいのが・・・」
シェリルの目に映っている姿は、巨大な大蛇。
砂漠に巣くう魔物、サンドウォームだ。
エレノア「うそっ!?」
脱ぎ掛けのローブを又元に戻して暑苦しい格好に逆戻りだ。
エレノア「うえー・・・」
なんとも醜悪な魔物の姿を見ると、本当に気も萎えると言うものだ。
エレノア「水のアニマなんて砂漠には無いしなぁ・・・と言うより・・・」
よく考えると、石のアニマ以外、天然で扱えるアニマが無い。
シェリル「如何する?」
エレノア「シェリルが何とかして!」
他力本願だが、今のエレノアは砂漠の荷物になればいけないとほとんどの道具を
うっぱらっている。
先見能力が無い。
エレノア「ああ、私って馬鹿・・・」
その通りだ。
シェリル「・・・火の術で良い?」
エレノアは文句を言える立場ではない。
もっと暑くなるのは目に見えているが。
シェリルは残念な事に水の術を使えない。
シェリル「ファイアーウォール!」
そして、よりによって使ったのが火の壁である。
動きの遅いサンドウォームは壁を突破する前に体が焼け爛れ、焦げ、灰と化す。
そして、エレノア。
エレノア「・・・あづ〜〜〜い!」
我慢しきれずローブをびりびりと裂く。
エレノア「着替え、着替え・・・」
その時、後ろから聞こえた声。
声「・・・おまえ達は?」
男の声だった。
エレノア「きゃぁ!?」
はだか同然のエレノアは、悲鳴を上げた・・・
08/05/2001