エレンが目をあけると、何処かで見たような湖が目の前に広がっている。 エレン「・・・ここは・・・」 腕の中にいるドールは意識が無い。 エレン「とりあえず、ここからドール先輩を手当てできる場所に連れて行かない と・・・」 エレノア「ねえ、シェリル。これからでも私達何処行けば良いんだろうね?」 シェリル「さぁ・・・」 行き当たりばったりの2人は、チカパ山を越えて、ヤウダから船でテレルテバへ向かったところだった。 別に目的は無い。 単に、エレノアの気が向くままに、である。 シェリル「とりあえず、地図は在るわね・・・」 シェリルはエレノアに敬語を使う事を止めた。 エレノアいわく、「気持ち悪い」からだそうである。 シェリル「テレルテバって所は砂漠地方だって・・・」 エレノア「砂漠?あーあ、又肌荒れに枝毛が・・・」 気楽なものだ。 ルドン高原を抜けると、宝石鉱山のふもとに街が在る。 しかし、そこは鉱山で一攫千金を狙うもの達がひしめく溜まり場の町だった。 か弱いとは言いがたいとは言え、女性の体を休める場所ではない。 エレン「困ったなぁ・・・」 ドールの体を抱えて走る事自体は別に彼女にとっては問題ではないのだが、ドールの足の治療が優先だ。 もっと治安の良い、任せられる場所は・・・ 男「お嬢ちゃん、見慣れねぇかおだなぁ?」 案の定、エレンに絡む大男。 近くに控える男達が、半分笑いながらエレンを見ている。 ああ、あの女もやられたな、と。 エレン「・・・ねえ、どっか良い病院とかないの?」 少女の口から出た言葉は大男を愉快にさせた。 男「病院?なら、俺が君の病院になってやるさ!」 聞くだけ無駄な事は分かっていたが。 エレン「・・・はぁ。力ずくで聞き出すか・・・」 |
08/05/2001 |