確信のSaGa


アバロンは皇帝の国だった。
その皇帝がいなくなって30余年。
皇帝を知るものは、その存在を心の隅に置いているものだけ。
皇帝を、心の柱としていたものだけ。
つまりは、そういう事だ。

そして、エレノア。
エレノア「・・・私、どうも少し気になることがあるの。」
エレノアが重い口を開く。
シェリル「どうしたのです、エレノアさん?」
洞窟は既に半分抜けている。
エレノア「・・・さっきのあの世界に、どうも感じた事がある邪気が満ちていたわ
     。多分、それが原因で?」
皇帝が顔を上げる。
ミレイユ「私もそう思うのだけれど・・・」
エレノアは、そして続ける。
エレノア「私、あの世界に戻るわ。あそこで、何かしなくちゃ行けない。
     あの世界が、私を呼んでいる気がする・・・」
エレノアのこの一言は、何かの確信を秘めているものだった。
プル「エレノア様・・・」
シフ「・・・エレノア、アンタは、もう決めているのかい?」
エレノアは頷いた。
ミレイユ「・・・私は、他の世界を見て、あの世界に足りなかったものをみつけ
     ることをしなくては行けない。
     ・・・エレノア、あなたに、私の代わりにあの世界を頼めるかしら?」
皇帝も、同様の気持ちを秘めているようだった。
エレノア「・・・任せて、私は大天才エレノア様よ。」
エレノアはそして立ち止まる。
もう一つ、立ち止まる影。
シェリル「私も・・・エレノアさんに、ついていかなければ行けない、
     そんな気がします。」
エレノア「シェリル?」
シェリル「私、初めてエレノアさんに会ったときから感じていたんです。
     きっと、私はこの人にあってようやく何かを感じてつかめるだろう
     ことを・・・っ!」
シェリルの瞳も、確信を込めていた。
シフはやれやれ、とポーズを取る。
スカイアも、溜息をつく。
ミレイユ「じゃあ、これを持っていって。」
ミレイユが渡したのは、アバロンの勲章が刻まれた、ペンダント。
スカイア「それを見せれば、イーリスのみんなも協力してくれるよ!」
エレノアは、それを強く握り締める。
シェリル「では、みなさん、ご無事で・・・」
プル「心配要らないわ。」
シフ「じゃあ、そっちもな。」
交わした握手は、固かった。
08/02/2001