激闘の始まりのSaGa


頭の中に直接響くような奥深い声。
それは、悪魔の声。
ジュエル「・・・ワシの眠りを妨げるのは貴様らか?」
巨大な、そして醜悪なカエル。
ナタリー「ジュエルビースト・・・」
聞いたことがある、バーバラから。
彼女が旅をしているときにクジャラートのタルミッタ、 マラル湖にて水竜より聞いた話の一説に、こうある。
バーバラ「ジュエルビースト!ヤツは全ての攻撃に耐える恐るべきモンスター
     なんだってさ・・・でも、実際いたら合いたくないよね。
     緑だか黒だかよく分からない醜悪な色にデカイ宝石を体に無数に生めこ
     んだデカイカエルだってさ。」
その姿が、今、目の前にある。
ネメシス「・・・あ・・・」
ネメシスは理解した。
自分の力が及ばなかったのは、この巨大な邪気に当てられていたからなのだと。
過信していたワケでは無かったが、自分の力と、この目の前の醜悪な悪魔の力との差を感じ、 呆然となる。
アニーも、グスタフも、詰めたい汗が滲むのをはっきりと自覚している。
アニー「ちょいと、こいつは・・・」
グスタフ「・・・逃げる事は、無理なようだな・・・」
ならば、行くしかない。
生の活路を、見出す為に。

エレン「先輩!?」
失敗だった。
確かに、ワカツに巣くうものたちのことは読めた。
情報もつかんだ。決定的な情報を・・・
ドール「エレン、アンタは先に帰るんだ・・・この証拠を持って帰らないと、
    私らのここまで着た事が・・・」
ドールは撃たれた。気が付かなかったのは失策だった。
廃墟に潜んだ防衛のシステム。
レーザーが、ドールの足を貫いたのだ。すでに、緊急態勢が整っているはずだ。
微かに、遠くでベルが鳴る音が聞こえる。
ドール「エレン!」
しかし、エレンは迷った。
人をこのまま見殺しに出来ない。それは、彼女のサガ。
だからといって、自分がここで死ぬわけにも行かない。
覚悟を、決めるしかない。
エレン「・・・先輩、ごめんなさい!」
エレンはドールのミゾオチを思いっきりつく。
ドール「エレン・・・」
彼女を背負ってここを出る事など不可能だろう。しかし・・・
ふと、脳裏に浮かんだのはあの櫛の事。
エレン「まだ、月光の櫛は見つかっていないけれども・・・!」
機械兵たちが集まってくる。銃身がこちらに向けられ・・・
エレン「IRPOに戻れるかな?」
エレンは、櫛を持って、強く願った・・・
08/02/2001