カエルのSaGa


アニー「先に進むよ!」
魔物が怯んだようにも感じられる。
恐らく、恐怖心を感じたのだろう。今度は、彼女達から。
さっきまでの死に物狂いで向かってきた恐ろしさが無い。必死なのは、どちらも同じ。
クロディ「はい!」
クローディアが水のエレメンタルを召喚する。
クロディ「エレメンタル!後は任せたわ!」
エレメンタルとは術者の力で生み出す分身のようなものだ。
彼女の強さが増せば増すほど、エレメンタルの力も強くなる。
エレメンタルは先ほどクローディアが放ったウォーターガンを連発、乱射している。 気迫の薄れたモンスター達は、これだけで近づけない。
ナタリー「今のうち!」

進むたびに魔物は出る。
どの魔物も悉く恐怖感に煽られていたが、進むにつれてその恐怖感は 徐々に薄れているような気がしてきてならない。
入り口で出会った魔物達は、質より量。
しかし、徐々に量より質へと変わっている。
質で勝負するなら、こちらが勝つ。
集団戦と個人戦の相性が違うのだ。
そして、最下層に行くにつれて、感じる身を凍らせるほどの、恐怖。
ドクン、と心臓が波打つ。
ナタリー「な、何?今のは・・・」
波打つのは、自分達の心臓ではない。
何か、巨大な存在が、その巨大な心臓の鼓動を木霊させているようだ。
もう、魔物達は姿を見せない。
アニー「・・・近いわ。」
そして、大きな広間に出る。
そこに、彼女達が見たものは・・・
大きな、カエルだった。

ミレイユが、どうして自分がこのさっき出会った人々と共にこの世界とは違った
世界を見ようと思ったのか。
それは、詳しくはわからない。
でも、わかることは・・・
ミレイユ「私が、この姿をしているのは、きっとこれから起こる事の為。
     ならば・・・運命に、身をゆだねようと。」
自分の、この姿を保っている理由というものを、具間、見た気がする。
それだけで、十分だった。
スカイアも、同行する。
プル「帰りは、楽になりそうですね。」
しかし、エレノアは独り、曇った表情をしたままだった。
07/31/2001