恐怖感のSaGa


山登りで培った経験とレベルアップがなければ、生き残れなかっただろう。
それほどの、敵の数だった。
グスタフ「ちっ!」
グスタフが表情を歪める。
ファイアブランドに炎を纏わせ、その力とかれの抜き打ちで敵を地獄へと落とす。
しかし、その隙を別な敵に狙われる。
クロディ「危ない!」
クローディアが空気中の水分を凝縮させた高圧の水を打ち出す。
その威力は、鉄をも絶ち切る。水のレーザーは数体の魔物の体を貫通し、絶命させる。
アニー「クローディア!」
アニー片腕が、中半から食いちぎられそうになっている。骨は噛み砕かれているだろう。
クローディアが癒しの術を唱える。
アニー「ふー・・・」
ちぎれかけていた腕が、見る見るうちに繋がる。
アニー「ったく、女性の体を傷物にしようなどと・・・」
襲いかかる魔物の爪をかいくぐり、神速の三段突き。
着地と同時に、彼女の体が分身し、荒狂う流れのように敵を打つ。
グスタフ「さながら、濁流剣といったところか?」
アニー「ご名答。」
一方ネメシスは、ひたすらに襲いかかる魔物を鉞で滅多打ちにしていた。
彼女の持つ超重量の鉞が一つ轟音を上げると、魔物の頭が数個飛ぶ。
めちゃめちゃに振りまわしているように見えるが、彼女自身は飽くまで冷静に
その動作を行っている。
ネメシス「しかし・・・どう言う事なんでしょう、私がこの邪悪な気配を全く
     感知できなかったなんて・・・」
ナタリーは踊るようなステップで魔物の攻撃をかわしている。
非力な彼女は一撃で魔物を倒すすべが無い。
上手く誘導し、アニーやグスタフの剣技に任せる。
グスタフ「・・・しかし、この魔物の群れ・・・嫌に、敵意がムキだしになって
     いないか?」
少しは余裕が出来たのか、グスタフがアニーとすれ違いざまに呟く。
アニー「きっと、あたし達が気に入らないんじゃない?」
グスタフ「いや・・・これは、何かに怯えている目だ。
     我々以上の存在が、この魔物達を狂気に借り出しているのだろう。」
ネメシスも、遠くから答える。
ネメシス「そう、私も感じてました。」
グスタフ「ああ・・・」
死闘は、未だ続く。
07/31/2001