エレノア「先に進むわよ!」 眼前に広がるのは、広大な平野。 魔物の気配もなく、何か隔絶されたような土地。 シェリル「ここ、何処なんですか?」 地図上でいけば自分達は洞窟を抜け、海が見えるはずであった。 しかし、海などなく、代りに山が見えるのみ。それも、遥か彼方に。 プル「先に進むほうがいいようですね。本当に、ここが殿下の言われた通り秘境 なのかは、私たちの目にゆだねられるようね・・・」
暫らく歩くと、何やら閑散とした町並みが見えてきた。 人気が、妙に少ない気がする。 シフ「何だここは・・・」 エレノア「酷く、時代がかってるわね。」 シェリルが何者かの気配をいち早く捉える。エレノア達よりも、何故か早く。 シェリル「何者!?」 建物の影に、人の姿を見とめる。先まで、全く気配などなかったはずであるのに。 男「・・・人間が、ここまで来る者がいるとは・・・」 男の姿だった。しかし、今まで見てきた人間達とは違い、妙な完成された感じを感じる。
人間を超えたような感じを受けないわけではなかった。 男「・・・あなた、人間ではないな?」 ぴく、と男がシェリルのほうを見て何か感じたようだった。 男「まあ言い。皇帝以外ではここに立ち入る者など存在しないとは思っていたが ・・・思わぬ来客だな。皇帝も来ている。奥に進むがいい。」 そう言うと男はまたふっ、と姿を消した。 エレノア「今の・・・なんだったのかしら?」 そう言う声がカタカタと震えている。 そういえば、記憶にないこともない。たしか、アレは・・・ 黒服を・・・ エレノア「黒服の男と、同じにおいが・・・」 におい、と言うのは勿論雰囲気、オーラの事である。 シフ「エレノア?」 エレノア「どうやら、私たちはとんでもないところに着たみたいよ・・・」
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