□ 瞬間移動のSaGa □


男「シェーラ?」
朝目を覚まして、何時もこの時間はまだ布団の中にいる少女の姿がない。
男は体を起こし、その辺りを探してみる。
しかし、何処にもその姿はない。

シェーラ、名をシェリルと言う女性を発見したのは、エレノアだった。
エレノア「・・・あのさ・・・」
メイド服姿の、いかにもひ弱そうな少女が、あの恐ろしい地の底の洞窟に、一人横たわっているのだ。
エレノアでなくとも、首を傾げる。
エレノア「何で、こんな物騒な所にこんな美人さんが一人いるわけ?」
プルミエールにもシフにも答えられるわけがなかった。
取り敢えず、危険なので放って置く訳にも行かず、ニ、三度平手で衝撃を与え、目を覚まさせる。
シェリル「う・・・うん・・・」
浅い眠りだったようだ。
シェリル「・・・ここは?」
まだ視界が開けていないのか、焦点の合わない目で彼女は辺りを見まわす。
プル「気が付きました?」
シェリル「・・・???」
ようやくピントが合うと、シェリルは夢を見ている気分であった。
さっき、自分が住み込みで働いていた酒場で眠気に襲われて、 目が醒めると全く知らない、真っ暗な洞窟の中。
瞬間移動したとしか考えられない状況。または・・・夢?
シフ「あ、この人・・・」
シフはこの娘の姿を見て、思い当たる節があるようだった。
プル「誰なの?」
シフ「ああ、確か何処だっけな・・・ああ、ノースポイントだか何処だか忘れたけ
   ど、どっかの酒場の看板娘さ。
   あたしは確かそこで酒飲み対決をした事がある。」
エレノア「何処でもやってるじゃないの。」
シフ「まあ、それはそれとしてだな・・・」
シェリルもどうやらシフのことを思い出したようだ。
シェリル「あ、私も思い出しました。
     店の酒全部持ってったひとでしょ?」
プルミエールとエレノアがじと目で睨む。
シフ「まあ、そんなこともあったかなぁ・・・」
暗い地の底でほんわかモード炸裂である。
シェリル「所で、ここは何処なの?何で私、ここにいるの?」
エレノア「そりゃ、こっちが訊きたいわね・・・
     ここ、ウエストエンドの奥地の地の底よ?」
シェリルは信じられない、と言った表情を浮かべた。
シェリル「・・・」
疑うのは簡単だったが、だからといって彼女にこの状況を打破できるわけではないのを 十分自分自身でシェリルは理解した。
何しろ、日の光の一片もないのだ。
辺りが見渡せるのは、不思議な光を放つ岩、水の反射によるものだ。
シフ「取り敢えず、危ないからあたし達についておいで。このままじゃ、あんた
   魔物の餌食だからね。」
シェリルは素直に従う事にした。

07/28/2001