二手のSaGa


アニー「じゃあ、そのアセルスって言う娘はいなくなっちゃったんだ。」
残念そうな声の響き。
クロディ「はい・・・」
こちらも、残念そうな声の響き。
しかし、部屋にいるのはこの二人と、ネメシスとナタリー、そしてグスタフの
五人だけだった。
残りの人物は、決まっている。酒場だ。
どいつもこいつも酒好きばかりである。
しかも、プルミエールはまだ19歳なのだ。未成年である。
アニー「ったく、緊張感がないったらありゃしない・・・」
仕方が無い、三度の飯より酒好きな人々だ。
ネメシス「地図を見る限りですと、ここは最果ての地に置いては結構な西より
     なんですね。名の通りウエストエンドですね・・・」
ナタリー「少し東の方に行くと結構他に小さいけど村が幾つかあるよ。
     去年来た時よりはもっと人が集まって大きい村になってると思うけど。
     前にね、あたしたちが村を襲うモンスターをやっつけてあげた事も
     あったんだよ〜」
なるほど、ナタリーの持っている地図にはモンスターの洞窟、及び村の位置が
きちんと示されている。
グスタフ「・・・秘境と言うからには、この村が存在しているよりも奥地にあると
     考えて間違いないな・・・」
だが、その奥地は高い山脈がそびえていたり、深い洞窟を辿ったりと 一筋縄では行きそうにない場所にある。
8人で行けばたやすいのだが、地理的な問題に日程的な問題もあり、全員で2箇所
回るのは少々問題があった。ならば・・・
グスタフ「二手に分かれるべきだな・・・」
正論である。ナタリーを除けば、いずれも一騎当千の猛者達である。
パーティーを二つに分けてもあまり問題はないだろう。
アニー「賛成ね。」
ネメシスも反論はないらしい。彼女の反応が一番信頼が置ける。
何しろ、未来が読めてしまうのだ。漠然とであるが。 彼女が不安を口にしないと言う事は、それだけで励みになると言う物だ。
最も、このメンバーでは彼女が不安を口にしたとて、問題はさほどないのだが。
クロディ「では、どうするんです?」
行き先は、北東の地と、真東の地に集約される。
地理的な要因の為だ。ウエストエンドの地は、北東に長く伸びている。
山谷のことも考えると、ルートは二つに絞られた。
アニー「・・・酔っぱらいは、一まとめで・・・あとは、あたし達でいいんじゃな
    いかな?
    ナタリーとネメシスはどっちにせよ二人で一人でしょ。
    向こうは馬鹿力に鉄壁に天才頭脳でしょ?心配ないって。」
勿論、戦力的な考慮も関わっている。
確かに、ネメシス+ナタリーは多少戦力が落ちる。
男のグスタフがそれをカバーし、アニーがクローディアの近くを守る。
戦力分析でいけば、単純戦力ではクローディアはネメシスとナタリーとは随分
差があるのではあるが、他の5人に比べると多少劣る節がある。
シフもあらかじめ「クローディアは癒しの術や遠くからの弓での狙撃が得意。
だけもあいつは元々争いが嫌いだから戦力としてはあたしらに多少劣るかもね」
と言っている。
回復面で言っても、エレノアがいるから向こうは何とかなるだろう。
アニー「じゃあ、キマリね。」
既にリーダー気分のアニーだった。
07/26/2001