雪国のSaGa


マミ「・・・ナンなのよ・・・さ・・・寒い・・・」
ポドールイも相当の寒気があったが、ここはその比ではなかった。
ここは世界で最も北部にある地方、ランス。聖王の墓があることでも有名な聖なる地。 ここには、ロアーヌの力も及ばない。それに、ここでは一切の暴力や争いが禁じられているのだ。
モニカ「しかし、この後ドコに行けばいいのでしょう?」
レオニードの城にいても何時かは必ずミカエルの手に落ちる。
だから、ロアーヌの力の及ばぬところまで逃げる必要があった。
そこで、まず来たのは聖なる土地、ランス。
サラ「取り合えず・・・聖王の子孫にお会いして、聖王廟に立ち入る許可をえま
   しょう。」
聖王廟と言うのは、聖王の墓のことだ。平たく言うと。
しかし、ただの墓ではない。
その中には試練が用意されており、それを乗り越える事で聖王の残した遺物を
入手する事が出来る。
兜と、具足と、弓。
マミ「聖王の遺物か・・・秘宝もあるのかなぁ・・・」

ランスの聖王の子孫は非常に気さくな人だった。
サラ「ああ、あなた方は旅人なのですか?聖王の位牌参りにでもしに来たのでした
   ら、いますぐ行ってらっしゃいませ。」
一代前の人は非常に気難しかったらしいのだが。
トーマス「ありがとうございます。」
ふっ、とマミの目に留まったものがある。それは、綺麗な指輪だった。
マミ「・・・この指輪、何ですか?」
子孫「ああ、それですか・・・それは、代々我々の聖王一族に伝わる指輪なんです
   よ。聖王が生きていた時に着用していたと言われる・・・
   でも、その指輪のルーツは誰も知らないんですよね。
   一説によると魔王も所持していた事があったとか。」
マミ「・・・ホンの少し、貸してくれません?少し手に取る程度ですから。」
聖王の子孫は渋ることなく貸してくれた。
マミ「精霊の鏡・・・」
鏡に映し出された指輪の姿は、彼らの目に見える綺麗な装飾の施された指輪とは違い、 ただの・・・とは言えないが、光のリング状の物にしか見えない。
つまりは、これは、秘宝である。
マミ「いきなりビンゴじゃないの・・・」
とはいえ、これは聖王が代々所持させるほどの宝物である。
わけもわからず、確信も無い秘宝集めにすぐにホイホイと出せるような代物ではないはずだ。
マミ「うーん・・・」
借りるのには、理由が必要だ。
取り敢えず、今はその時ではないのだ。
07/26/2001