到着のSaGa


エレノア一行が到着したのは、アセルスが姿を消した日の昼間頃であった。

シフ「ん?」
シフが街の酒場に顔を出して見ると、どうも見覚えのある顔があった。
バーバラからも話を聞いている。間違いない。
シフ「クローディア!」
大声で彼女を呼んで見るが、彼女は返事を返さない。
おかしい、とシフは首を傾げ、今度は近くによってみて彼女の背を軽く叩いてみた。
シフ「どうしたんだい、クローディア。元気がないね。」
クローディアはシフの方を少し見て、ようやく暫くしてから彼女の存在を見とめた。
クロディ「シフさん!?」
シフ「久しぶりだね、クローディア。元気だったかい?」
シフはクローディアの隣に座って、きつい酒を一つ注文した。
シフ「バーバラから話は聞いていたよ。」
クロディ「ええ・・・でも、今は私一人なんですよ。」
シフが何を言おうとしていたかは大体の見当がつく。
シフ「ふーん。どうしてだい?」
クロディ「分かりません・・・今日、朝起きたらアセルスさんの姿がなくて。
     それで私・・・」
気がつかなかったが、クローディアはかなり飲んでいるようだった。
しかし、酔っているようには感じられない。
そうだ、とシフは思い出す。こいつは底無しだったんだ、と。
シフ「で、何で昼間っから飲んでるのさ?」
クロディ「いえ、ちょっと気分がそう言うものだったので・・・」
シフ「ショックだったのかい?」
クロディ「・・・」
クローディアは少しうつむいた様子で言葉を止める。
シフ「まあ、あたしの仲間たちも来てくれてるし、旅の友には困らないよ。」
クロディ「ありがとう、シフさん。」
シフの言葉はありがたかったが、クローディアの心には、 アセルスの姿が浮かんで離れなかった。

エレノア「・・・ねえ、ココってさぁ、確か開拓が始まって間もないはずの
     街よね?」
エレノアが疑問を口にする。
無理はない。あまりに、街としての機能が充実している。
開拓した町というのは、もっと寂れてちゅうと半端なはずだ。
クロディ「開拓精神の塊の人々ですから、ココにいる方々は。」
酒場からシフと二人で引き上げてきたクローディアは 他の人達に簡単に自己紹介をすませ、少しはなす事になった。
シフ「ああ、ココの人達はフロンティアスピリッツを忘れてないからね。
   作業にも熱が入ってるものさ。」
独立した人々は、その心意気でココまで仕事が出来るものなのか。
ネメシスは黙って会話を聞いていた。
ナタリー「ネメシス、どうしたの?」
ネメシス「ええ・・・やりたい事、したい事があるだけで、人はこんなにも
     努力できるのですね・・・」
そう実感せざるを得ないほど、この町の開拓は早いのだ。
アニー「取りあえず、宿取ったからそっちに移動。
    コレからの行動は、明日決めようよ。
    あたしはもう眠いんだからさ。」
早くも、日が沈もうとしていた。
プル「・・・日が沈むのが、早いのね・・・」
プルミエールのこの一言が、実は、重要な意味を持っているのだ。
07/17/2001