□ 警察のSaGa □


IRPOとは、簡単に言えば、リージョン界の警察である。
本部は丸まる一つのリージョンであり、かなり巨大な組織である。
エレン「ここが、IRPOのリージョンですか・・・?」
エレンの知っている警察では、これほどの規模は無い。
確かに、文明の進み、いろいろな事故が各リージョンで多発するのであれば、 警察いち組織としても巨大にならざるをえないのだろう。
ヒューズ「さあ、ついたぞ。」
まずエレン、ヒューズと降りる。
そして・・・
女の声「私も、お邪魔していいですか?」
不意に二人の後側から声がかかる。
二人が同時に振り向くと、そこには、さっきの店の、あの娘が・・・
ユリア「私も、お邪魔してよろしいですか?」
その笑顔には怯えが無い。
ヒューズ「・・・お姫様は?」
ちらり、とエレンに目配せする。任せる、と言う事だ。
エレンの方は、正直、ユリアとあまり顔を合わせたくなかったのだが・・・
悪いのは彼女ではない。そう思うのは自分の大人気無いジェラシーであって、
彼女に非は無い。それに、どうしてこんな所に付いてきたのか、興味もある。
エレン「ヒューズさんが邪魔と思わなければ、構いませんよ。」
嬉々揚々とした表情に変わり、ヒューズはユリアの手を引っ張る。
ヒューズ「ヨロシクな、お嬢さん。」
お姫様に比べれば、未だマシな部類か。

取り敢えず、着替えだ。
着替えと言うと、IRPOの制服に決まっている。
どうしてかと言えば、ヒューズがそうしろと言ったからである。
正式な組織員でもない彼女達が、これを着る意義が何処にあるのかは、この時点では謎だが。
エレンが、重い口を開いた。
エレン「・・・どうして、ここにいるの?」
どう取り繕っても、この言葉はこれ以上に繕えない。
単刀直入過ぎる、とは言え、エレンにはこれが精一杯だった。
ユリアは少しもったいぶって答えた。
ユリア「あのね・・・私、一年前、ううん、さっきまではレッドの事が好きだった
    の。彼も、一年前、最後に私と会ったときまでは、そうだったわ。
    でも、もういいのよ。彼は、私にとってもうどうでもいい人。」
妙なくらい落ちついていて、本心を語っているように思われた。
エレン「じゃあ、どうしていきなりそうなったの?」
尤もな疑問を、エレンは当然のように返す。
ユリア「彼が、あなたにあんな事を言ったから。」
エレン「え?」
ユリア「あなたも、彼のことが好きなのでしょ?
    でもさ、あいつ、鈍感だし、何より、人の気持ちをわかってないのよ。
    それに・・・」
言いかけて、止める。
エレン「それに?」
ユリア「・・・何でも無いわ。ただ、彼には幻滅した。それだけよ。」
エレンとレッドの間に、絆を感じた、自分には作りえなかった、絆を。
でも、そんな事は言わなかった。
ユリア「同じ男に失恋したもの同士、仲良くやろうね。」
エレンもまた、なんとなくわかってしまった。
きっと、この娘も、自分に対してジェラシーを抱いているんだと。
じゃあ、同じだ。
きっと、今の自分と同じことを考えている。
なら、上手くやっていけそうじゃないか。
エレン「宜しくね。私はエレンよ。」
差し出した手を、ユリアも握り返す。
ユリア「宜しく、エレン。私はユリアよ。ユリアでいいわ。」
自分には無いところを、欠けていた所を補い合おう。
その上で、また・・・
07/14/2001