エレンが綺麗になろうと決心したのは、ミリアムの一言と、レッドの一言だった。 ミリアムの一言と言うのは、別に大したコとではない。 恋の助言だ。 ミリアム「エレン、いくら元もとの素材がよくても、それだけじゃダメよ。 男を落とすにはそれなりに見た目にも気を使わなきゃ。」 そう言われた矢先だ。 レッドはようやく自分が他の仲間達にどう思われているか理解し始め、少しでも 表情を豊にするためにいってしまった一言。 レッド「エレンはがさつだから、きっとマンハッタンでも目立つんだろうな」 当の本人はこの一言を覚えてない。 始末に悪いことである。
いくら待っても女性の買い物は終わりそうにない。 レッドは仕方無しに、その辺をブラブラする事にした。 いや、その必要は無かった。 近くに、丁度いいファーストフードの店を見つけたからだ。 レッドは先程のアクセショップに戻って、近くのそこのファーストフード店で何か 食べて時間をつぶす旨を女性二人に伝えた。 エレン「いいよ、まだ時間かかりそうだし。」 ミリアム「昼飯も未だなんだろ?食べておいでよ。」 と、言う事である。 レッドは店の中に入り、カウンターに席を取った。 レッド「ポテトとサンド、ドッグにシェイクの大きいサイズね。」 注文はしたが、すぐに返事が返らない。 手際が悪いな、とレッドは少し不服に思って顔を挙げてみると、そこには・・・ 店員の女のコ「レッド!?」 見知った顔だ。 レッド「ユリア!?」 そこにいたのは、キグナスに乗っていた頃の知り合い、ユリアであった。 ユリア「久しぶりじゃないの。今まで何処にいってたの?」 ユリアはレッドが知っている頃の彼女よりずいぶん髪が伸びている。 そして、大人びている。 頬が赤らむ。熱っぽい感情がよみがえってくる。 あの頃の、ユリアを好いていた自分の、熱い感情が。 ユリア「ああ、注文ね。分かったわ、私のおごりよ!」 レッドの視線は、きびきびと動くユリアの方に、ずっと寄っていった。
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