ライザ「ハィ!」 ライザの放った掌底破がディオールの巨体を数メートル吹き飛ばす。 ディオ「ぐあぁ!?」 女の力で自分をここまで吹き飛ばすとは、完全にディオールは誤算だった。 ハリード「勝負ありだな。」
ライザとディオールの勝負は些細な事で始まった。 ディオ「おい、ライザ。最近、体が鈍ってないか?」 ライザ「?」 ディオ「どうも実戦をしとかねぇと、イザって時に体がうごかねぇと困るからな。」 ライザ「で、どうして私なの?」 ディオ「ん?ああ、何故って、一番暇そうにしているからだ。 それに、たまには素手で殴り合うっていうんも悪くないと思ってな。 他の二人は素手でやりあっても勝負にならねぇしな。」 ライザ「それって、私を認めてるの?」 ディオ「さぁな。ただ、お互い全力でぶつかった事はないだろ。 気晴らしさ、やらないか?」 これにライザは承諾したわけだ。 ライザがこれに承諾したのには二つ理由がある。 一つは、ディオールが自分を認めてくれたこと。彼はネメシスのことで
女性に対して差別的なのかと思っていたのだが、どうやら違うようだ。 彼はたんにネメシスが心配なだけだったようだ。 そして、もう一つ。 そのネメシスが心配な彼の気持ちを、少しでも抑えてやる為だ。 これは、別にディオールがどうとかそう言う事ではない。自分も、そうだからだ。 少なからず、アニーやエレノア達に関する心配も自分に無いわけではない。 だから、自分もディオールも、この対決をしたわけだ。 結果は、ライザの勝ちだったが・・・
ステスロスの研究は進んでいる。 もう実戦レベルでの飛行訓練は可能だろう。 ただし・・・最も重要な部分の最後の詰めは、エレノア達にかかっていた。 クエーサー「なるべく、無事に戻ってきてくれよ・・・」
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