消え去りのSaGa


クロディ「アセルスさん!?」
クローディアが朝目覚めると、そこにはアセルスの姿は無かった。
あったのは、書き置き一つ。
「すまない、そして、ごめんね・・・」と。
クロディ「どうして・・・」
クローディアは、自分の胸に疼いている感情を、 口で表現するにはまだ経験が足り無すぎた。

エレンは困っていた。
京からリージョンシップで飛び立つ先はマンハッタン。
世界一の都会と呼ばれるリージョン。
しかし・・・
レッドの顔からは、一つの感情を残して全てが捨て去られていた。
それは、憤怒。
ミリアム「エレン、レッドは・・・」
エレン「相変わらず、あの表情のまま・・・」
声をかけるなどという問題ではなかった。
近くに寄れば切り裂かれるような雰囲気。
リュートですら、普段はうるさいほどの歌声を全く響かせようとしていない。
ミリアム「エレン・・・そんなに、レッドの事が心配なの?」
エレン「え?」
ミリアム「女同士だもん、それくらい分かるよ・・・
     でもさ、今の状況は女が口を出す問題じゃないよ。
     あたしも知ってるんだよ、ああ言う表情をした事のある奴をさ。
     アレは、自分に対して怒りをたぎらせている男の目さ。
     あたいら女が関与する事じゃないよ。」
ミリアムはエレンのお姉さんのように、優しく、少し蓮っ葉に接してくれる。
そう考えると、自分の事も思わずに入られない。
自分に姉がいたらこんなだったのだろうか、それよりも、 自分はサラにとってどんな姉であったのだろうか・・・
そう考えざるをえない。
エレン「ミリアムさん・・・」
マンハッタンは近い。
着陸の準備だ。
07/12/2001